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カナダの「今」を駐在員の視点から-旅行業界のこれからと主要観光地の現状

プリンスエドワード島
 3月の段階でクラスター感染と州外からの感染があったものの、アクティブな感染者は20名前後に留まっています。州内では、第1回目のワクチン接種を6月末までに16歳以上の住民すべてが受けられる模様です。

 シャーロットタウンの街中はそれほど多くの人が歩いているわけではありませんが、マスク着用必須ではあるものの、バスも普通に稼働、店舗も通常通り営業しています。

有名アイスクリーム店カウズの入り口には、牛一頭分離れましょうというサインが。ユーモアたっぷり(写真提供:PEIセレクトツアーズ)

 レストランでは各テーブル6人まで着席可能ですが、夜10時に閉店しなければなりません。ジムや博物館、図書館、一般商店、スーパー等は50%の収容人数で営業できます。

 赤毛のアンのお店等、観光客用のギフトショップは少々閑散としていますが、オフシーズンの為、例年通りです。

赤毛のアンの土産店。オフシーズンということもあり、静か(写真提供:PEIセレクトツアーズ)

 デルタホテルやその他数軒ホテルは開いていますが、ロッドシャーロットタウンやB&B等、去年の3月後半から閉業しているところもあります。デルタホテルでは、週末に島内からのホッケー練習等、地元民の利用がある以外は州外者に義務付けられている14日間の自主隔離者が利用しています。チェックイン、チェックアウトもタッチレスになってきています。ホテル内はすべてマスク着用です。

モントリオール
 ケベック州は各地感染者数の増減によってゾーン分けしており、週毎に変動します。

 モントリオールやロレンシャン、ケベックシティは現在最大限の規制が継続しており、夜8時から朝5時までの夜間外出禁止令が敷かれています。新規感染者の数は減少し、間もなく規制緩和される兆しがあります。

スーパーの入り口には、入場制限の為、列が。並んでいる時も、距離を保って(写真提供:バンフガイドサービス)

 各観光地は気温も低く、まだまだ寒いので現在オフシーズン。閑散としています。ケベック州では、砂糖小屋の規制が今年で2年目になり、存続が問題になっています。

イエローナイフ
 引き続きノースウェスト準州の住民、学生、エッセンシャルワーカーのみが準州内の往来ができ、旅行者は出入境することができません。イエローナイフ自体の感染者は数名ですが、準州内の小さなコミュニティや鉱山での感染が増えています。

 ワクチンの接種はカナダ国内でも早い段階で始まり、65歳以上の高齢者及び疾患のある人たちを優先に接種が行われています。先住民の遠隔地コミュニティでは医療体制が整備されておらず、カナダ国内でも準州民には優先的にワクチン確保が行われています。3月末までに準州内一般住民の1回目のワクチン接種を目指しているとのことです。

 ツアー催行会社は準州内住民向けにオープンしていますが、地元民の参加は見込めず、開店休業の様相です。一方、オーロラ鑑賞地では多くの地元民を見かけます。

 3月に入ると気温も上昇、春休みということもあり、地元客の犬ぞりの予約が増加している模様です。ツアー会社のマッシャー(犬ぞり操縦者)は、今シーズンは犬ぞりレースに集中し、毎日トレーニングや犬のケアを行っています。

マッシャーのグラント氏とレース犬達(写真提供:Masaya Koyanagi氏)

 北米内の多くのレースが中止される中、ノースウェスト準州は特別に準州内在住のマッシャーのみレースの開催が認められています。

犬ぞりレースの様子。写真に映るマッシャーは日本人の黒政さん(写真提供:Masaya Koyanagi氏)

 カナダのコロナ対策は首相による定期的発表、国民経済支援を第一に行ったことで一定の評価を得ています。旅行の復活に関しては、隣国アメリカの状況に加え、移民の多い国家のため、全世界の感染状況を常に敏感に分析しながらの状況決定となっています。

 旅行業が地方経済に与える影響から、「サポートローカル」として地域観光を見直す動きが出ているので、この動きが結果として旅行デスティネーションとしてのカナダのアイデンティティを高めることにつながることを期待しています。

本稿はトランスオービット バンクーバー支店アシスタントマネジャー 山田方香氏よりご寄稿いただいています。
※2021年3月22日(現地時間)現在の情報です。

株式会社トランスオービット
米国本土・ハワイ・カナダ・オーストラリア・韓国に現地法人を有するランドオペレーター
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