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航空会社のバックボーン活かし課題解決、観光立県での復活を目指す―沖縄県議会議員 西銘啓史郎氏

入域者数よりも人泊数、量から質への転換を

-沖縄にコロナ前と同程度の観光客が訪れるのはいつ頃になるとお考えでしょうか
3月上旬の国際通り

西銘 これまでにも沖縄は度々危機を経験しています。9.11の後には沖縄は米軍基地があるから狙われるといった風評被害が起こりましたが、その時は沖縄の安全性をアピールするキャンペーンを展開して復活を図りました。今は日本全国がコロナに苦しんでいるため状況は違いますが、ひとつ光が見えるとすれば、これまで海外旅行を好んでいた方が沖縄に向かってくれることです。年間2000万人のうちの1割でも200万人ですし、ワーケーションもあります。何年にとは言えませんが、新しい生活や新しい働き方に移行すれば変わってくるでしょう。

-コロナ前はオーバーツーリズムも問題視されていました

西銘 航空会社に勤めていた時代から県に言い続けてきたのですが、もはや観光入域者数を競う時代ではなく、重要なのは人泊数です。仮にプロ野球キャンプで選手や関係者が50人来るとすると、50人×30日で1500人泊です。一方、修学旅行で500人が3泊しても500人×3泊で1500人泊になります。ところが観光入域者数で考えると50人と500人で1/10。加えて前者と後者では単価も異なります。

 琉球銀行の試算では、プロ野球10球団が沖縄に来ると、マスコミやファンも含め120億円の経済効果があります。今年は無観客のため1/10以下になると思いますが、この50人を大切にしなければならないと考えています。またほかの例では、先日宮古島を訪れた際、ホテルの方から、プライベートジェットで島を訪れ、1泊60万円の部屋に7名で1週間滞在した方々がいたと聞きました。入域者数は7名ですが、1週間の滞在費だけで420万円です。

 クルーズでは一度に5000人が訪れますが、観光バスも100台出て大渋滞を引き起こし、地元の人々の生活に影響が出ます。加えてクルーズの場合、ホテルにも泊まらず食事も基本的に船の中です。最近は「爆買い」の対象も家電製品から化粧品や医薬品に移り、消費単価も落ちています。決してクルーズが駄目とは言いませんが、地元のためには経済効果もしっかりと見ていく必要があります。

 県でも量から質への転換を図っています。ですがホテル業界と意見交換すると、そう簡単に転換できるものではないという声も多く、量も追いながら質も追うという戦略で行くべきではないかと考えています。私は昔から、キーワードは“one more”だと言っています。もう1皿、もう1杯、もう1泊をどう引き出すか。その努力がなければ消費額は上がらないでしょう。

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