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【コラム】沖縄の惨状と希望 
4月2週目を「沖縄ウィーク」とします

3月上旬の国際通り

 観光産業に関わる様々な立場の方々にお話を伺い、沖縄特に那覇の観光産業の今を自分の目で見るべく、3月の2週目に沖縄を訪問しました。

 そこは、記憶に有る限り初めて文字として使う「凄惨」と言う言葉以外では表せない状況でした。国際通りのお土産物屋さんは半分がシャッターを降ろし、飲食店も既に廃業したのか休業なのか、いずれにしても閉店している店多数、数少ない開業中の店も店舗内のお客様は疎ら。

 一昨年には念願の入域観光客数1000万人を達成し、自信と活気に満ちていた日本有数の観光地はどこに行ったのか?ここが本当に同じ場所なのか?廃業や倒産を余儀なくされた方々や失職した方々の無念やこれからの人生設計を思うとやるせなく、矛先の無い激しい怒りを禁じ得ません。

 一方、極めて困難な状況の中、近隣の清掃作業を続けるホテル、生産者を守るため紅イモを全量買取続けるお菓子メーカー、限られたお客様に出来る限りのホスピタリティを持って接する従業員の方々、そしてそれらの方々を応援される地元の方や数は少ないけれども県外からのお客様も居られ、観光産業の底力を改めて感じると共に、希望を見出すことも出来ました。

 また、滞在中に少なくとも2校、修学旅行中の団体を見ました。「出来ない」では無く、「どうすれば出来るのか?」、オンラインや他の行事への転換、延期ばかりを選択していては観光地は死にます。

 3月18日に、首都圏1都3県の緊急事態宣言が3月21日で解除されることが発表されました。今こそ我々観光産業に関わる者が、十分な感染対策と適切な行動を伴った旅行の「形」を身をもって示すべき時です。我々も当然苦しい、しかし観光地無くして、観光産業の復活はあり得ません。今我々に出来る事の一つは、自らが旅行復活の先陣を切る事です。

 今回の沖縄取材の成果は4月の2週目を「沖縄ウィーク」とし、1週間にわたってお伝えします。沖縄観光コンベンションビューローの下地会長、元全日空職員の西銘県議、ホテルの総支配人やお菓子メーカー社長のインタビュー記事、フォトニュース等々の配信・掲載を予定しておりまので、是非お読みいただき、沖縄への更なる送客をお願い申し上げます。

 また、この特集に合わせ、沖縄の皆さんから観光産業に従事される方々を対象とした「優待」も合わせて掲載予定ですので、こちらも活用の上、ご自身の訪沖も是非ご検討下さい!

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、31周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事