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復活のキーワードは「LGBTQ」、ひとりひとりにパーソナライズされたサービスをーグランディスタイル沖縄読谷ホテル&リゾート総支配人 芝原英幸氏

地域とともに未来を考え、観光地としての価値を高める
読谷村ならではの「格好良さ」も発信

-コロナの業績への影響をお聞かせください

芝原 2020年の客室平均単価は前年の88%でした。一方稼働率については、2019年が7月の開業から上昇が緩やかで平均40%だったこともありますが、2020年は56%と前年よりプラスの着地となっています。

 2020年の3月から5月にかけては休館し、再開後は沖縄県内のお客様へ積極的にアプローチをかけ、取り込みを図りました。稼働率は上がるものの単価が低いという問題はありましたが、いつ需要が復活するかが分からない状況のなか、まず生き残るために稼働率を上げ、損益分岐点を守ることを目指しました。これが奏功して7月には黒字に転換。そこにGo Toトラベルも相まってこの結果が生まれました。Go Toトラベルがなければ2020年の単価は前年の60%台になっていたでしょう。星野リゾートが提唱したマイクロツーリズムという言葉が浸透した効果もあったと考えています。

-LGBTQ マーケットへの取り組みについてお聞かせください

芝原 個人的にはそもそもLGBTQという言葉で人をくくるのがあまり好きではなく、理想論としてはお客様ひとりひとりにパーソナライズされたサービスをしたいと考えていたのですが、LGBTQについて勉強を始めたところ、旅行意欲が非常に強く9.11からの立ち上がりも早かったこと、2015年のデータでは国内で6兆円を超える市場規模があることなどを知り、大きな可能性のあるマーケットだと感じました。

ホテル内のトイレの掲示

 勉強を始めたきっかけは、アンケートに書かれた「なぜ男性用と女性用のパジャマを置いているのか?」という言葉でした。意見をくださったお客様とコンタクトを取るうちに、さまざまなことに気付かされました。当ホテルの運営会社であるKPG HOTEL&RESORTは、社長の田中の方針の下ダイバーシティを掲げており、LGBTQへの理解も早く、系列ホテルのカフーリゾートではいち早くLGBTQウエディングを立ち上げているという土台がありました。私たちもトイレには開業から性別を問わず利用できることを示すレインボーカラーを掲示しており、ホテルとしても「WorkwithPride」Goldを獲得する等、理解していたつもりでしたが、肝心なパーソナルな部分でディテールまで配慮が行き届いていなかったと痛感しました。

 パジャマについてはご指摘をいただいてすぐ、お客様のニーズに合わせて用意するスタイルに変えました。今後は予約時にお客様が選択できるよう、サイトの改修を進めています。

 その後、その客様からのご縁もあり、一緒に何かできないかと話すようになりました。コロナからの復活もLGBTQをフックにしようと動き始めています。まずは私をはじめ、すべてのスタッフに理解してもらうことが重要だと考え、バック部門のスタッフも含めて社内研修を実施しました。現在は第2フェーズとして、若いスタッフでプロジェクトチームを作り、インフルエンサーを招聘して宿泊してもらうプロモーションを実施しています。単価を上げることを視野にメインターゲットを絞り、Go Toトラベルの再開前にターゲットが多く集まる地域にフライヤーを展開し、ゴールデンウィーク明けに具体的な企画商品を販売していこうと考えています。

-2019年、沖縄には1000万人が訪れ、うち700万人が日本人でした。この規模に戻るのはいつ頃になるとお考えでしょうか

芝原 色々調べたなかで主観ではありますが、国内マーケットについては、ポジティブに考えても年内の回復は8割が限界でしょう。ですが、これまで海外に行っていた方の需要が国内に向かうことを考えると、2022年の7月には2019年のレベルに戻るのではないかと想定しています。一方、海外マーケットについては2022年にも4割程度までしか回復しないと見ています。完全な復活は2024年頃になるのではないでしょうか。

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