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ハワイ州政観、夏に向けリカバリープロモ準備、21年は50万人超え目標

  • 2021年3月9日

業界向けウェブセミナーを拡充、パネルディスカッションも

 HTJは昨年6月から旅行業界向けにオンラインセミナーを実施しており、23回で2456人の旅行会社社員が参加していた。3月から5月にかけては内容を拡充し、基調講演とパネルディスカッションからなる「ハワイ・ツーリズム・フォーラム」を毎月第3水曜日に開催する。第1回のテーマは「新型コロナウイルス」で、専門家や航空会社、ハワイ現地のパートナーなどが参加。第2回目はSDGs、第3回目は教育旅行をテーマに実施する。

 また、これまではハワイで開催していた旅行商談会「Hawaii Summit」については、夏前を目途にオンライン開催を予定する。このほか、旅行会社の研修に関する取り組みについても強化し、従来から展開するラーニングプログラム「アロハプログラム」でさらなる上級プログラムを開発し、春先に発表する予定だ。ハワイスペシャリスト検定合格者が在籍する「サテライトオフィス」へのサポート体制も整える。加えて、旅行会社の社内でハワイに関する学びのスペシャリストとして、社内トレーナーの養成にも取り組む。

 一方、消費者向けには昨年は中止した「ハワイエキスポ」をオンライン上で開催する予定。「五感でハワイを感じる」のテーマは変更せず、ハワイ現地からのライブ配信をする予定。ヴァーレイ氏は「ハワイをバーチャルで体験できるようなプラットフォームづくり」に取り組んでいるとした。

レスポンシブル・ツーリズムを強くアピール

マラマ・ハワイのロゴ  さらに、HTAでは2018年から打ち出している、レスポンシブル・ツーリズムのさらなる推進をはかる。ヴァーレイ氏は「ハワイはプロダクトが豊富にあるが、これまでピーアールが薄かった」としたうえで、「学びのハワイ、SDGsのハワイというイメージのピーアールに注力したい」と意欲を述べた。

 具体的にはハワイの豊かな自然や伝統、文化を守るための環境保護活動や社会貢献に取り組む「マラマ(=思いやり)・ハワイ」で、地域社会と関わる体験や、地球を大切にすることを意識する旅を推進。新しいキャンペーンも実施する予定だ。加えて、国連が進めるSDGsを基準にハワイ州独自のゴールを設定した「アロハプラスチャレンジ」プログラムなど、ハワイ独自の取り組みを切り口に活動を展開する。島ごとに独自で策定中の、SDGsに配慮したアクションプランとも連携する。

 ヴァーレイ氏は「大型グループのツアーが難しくなるなか、小規模グループ向けに内容の深いプログラムを地元の環境を守りながら作っていかなければならない」と話し、ハワイ現地のNPOなどによる体験プログラムや文化イベントを旅行会社と協力して商品化したい考えを示した。さらに教育旅行向けのプログラムの開発や、姉妹都市と連携した取り組みも実施するという。