【コロナに負けず】エクスペディア・パートナー・ソリューションズの松尾裕美子氏

日本市場はしばらく国内に注力、海外は年末以降に期待
感染者減の中韓豪では国内旅行再開の動きも

-今夏についてはどのような状況になると見ていますか

松尾氏(2018年6月に撮影) 松尾 海外については、そもそも行ける国がほとんど無くなってしまったのでゼロに近いか、良くても80%減くらいではないかと思います。エクスペディア・グループでは当面、どのマーケットでも国内旅行に力を入れる考えです。

 日本については五輪が延期になったので、特に東京の客室在庫をどのように販売するかを考えなくてはいけません。今はホテル側も感染対策などで忙しいと思いますが、五輪に期待していた施設とタイアップして、さまざまな施策を進めるための協議を進めています。これまでは海外旅行中心に販売していただいていたパートナー企業にも、今後半年くらいは国内旅行にシフトしていただくようお願いするつもりです。

 最初のステップとして国内旅行を強化した後は、少しずつ海外にも注力したいと考えています。また、来年以降に関しては、当社の在庫を国内外の旅行会社に販売していただいているエフネスの宿泊予約システム「Rikisha Easy REZ」などでも、少しずつ国際会議や商談会のための予約が入ってきているので、BtoBには今からでも取り組むことができると考えています。

-日本人が海外を旅行できるようになるのはいつ頃になると思いますか

松尾 当初はゴールデンウィーク頃と見込んでいましたが、影響が長期化しているので良く分かりません。レジャー需要については夏頃に国内旅行の需要が戻り、その後は年末くらいから徐々に海外旅行も戻ってくることを期待しています。まずはハワイやグアム、その次にアジアと、需要の減退が遅かったデスティネーションから回復していくのではないでしょうか。

 実際に、年末のハワイの予約は、まだキャンセルされていないものが多いです。おそらくは、その頃には自由に旅行できるようになっていると希望を持っている方が多いのでしょう。また、今後はゴールデンウィークに旅行できなかった方々が、年末の予約を入れ始める動きも出てくるのでは、と思います。

 航空各社も需要の回復具合によってリーズナブルな運賃を提供し始めると思いますが、私たちはまず、ハワイやグアムなどの販売に注力することになると考えています。レジャーの総需要については、状況さえ落ち着けば回復のスピードは早く、いつになるかは分かりませんが2019年比で80%から90%ぐらいにまでは戻ると見ています。