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23年度までに100軒展開、加速続けるHISホテル事業の現在

HHH岩間社長に聞く4ブランドの展開
「変なホテル」はインパクトよりも快適さ重視

-「変なホテル」がめざす「効率化」とは、そもそもどのような考えに基づくのでしょうか

岩間氏 岩間 たとえばフロントのロボットは、「優秀な人材が『お客様のために何ができるか』を考える時間を作る」ために導入している。生身の人間の場合は、お客様が来ない時間もフロントにいなくてはならず、それでは時間が勿体ないという発想だ。

 自社で開発し、徐々に運用を始めている宿泊料金の自動設定システムも同じ発想で、空いた時間で地域のことを考え、自動設定された価格にその考えを入れ込み、お客様に対して最適化する。自動化によって省人化や効率化をはかり利益を追求する、というだけの安易な発想ではない。

-「変なホテル」の宿泊客における、外国人と日本人の割合を教えてください

岩間 80%が日本人で、20%が訪日客を含む外国人となっている。今後の訪日旅行が抱えうるリスクを考えると、日本人客を維持しながら運営していくことは大切だと思う。ベースは日本人で、当面は外国人は40%ほどまで上がればいいのではないか。

-「変なホテル」の流通チャネルの内訳についても教えてください

岩間 訪日客で一番多いのは現地の旅行会社経由で、次にOTA、直販となる。利益の面では直販が最良だが、それに固執することで流通チャネルを狭めることは避けたい。いずれかのチャネルに特化するのではなく「我々のホテルを広めてくれるパートナーと広く協働する」という考えだ。

 日本人客についてはOTA経由が多い。以前は軒数が少ない上に、いずれも100室程度のホテルだったため、OTAで予約したお客様ばかりだったが、ここ数年で一気に軒数が増えたことで、旅行会社経由の予約も増えている。

-最後に、2019年度(18年11月~19年10月)の業績の見通しはいかがでしょうか

岩間 第1四半期のホテル事業は、前期に札幌とオーストラリアの「ウォーターマーク」を売却した影響によって、売上高は1.4%減の30億8700万円、営業利益は34.8%減の2億5700万円の減収減益となった。しかしその影響は前半で終わり、第3・第4四半期で追いつく見通しだ。通期については、売上高は前年度の120億2900万円を上回り、営業利益は前年度と同程度になると予想している。

 期初の計画通りに推移している。売上ベースでは昨年に売却したホテルの影響を受けず成長しており、利益ベースでも計画通りの着地と予想している。

-ありがとうございました