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アフリカ最大のトレードショー「インダバ2018」開催、大統領交代で観光予算増

  • 2018年6月13日

サファリの新たな楽しみ方などアピール
JATAも参加し観光大臣に来日要請

一層の関係強化めざし、JATAが訪問

南アフリカ観光大臣のデレク・ハネコム氏

 インダバ開催に合わせ会場を訪れた日本橋トラベラーズクラブ代表取締役社長でJATAアウトバウンド促進協議会(JOTC)中近東アフリカ部会部会長の西山徹氏は、デレク・ハネコム観光大臣、そして南アフリカ観光局のンツォーナCEOと個別に会見し、日本人渡航者数の増加および南アフリカからの旅行者の増加という「ツーウェイツーリズム」への協力、そしてツーリズムEXPOジャパンへの出席を要請した。

 ハネコム観光大臣は、「今回みなさんとお会いできたことは大変嬉しい。また日本に招待され、とてもありがたいと思う。ぜひ訪日できるようにスケジュールを調整していきたい」と語った。ンツォーナCEOは、「日本のマーケットを伸ばしていくのに、何が必要かということを考えている。ツーリズムにとって大事なことは、人と人とのコミュニケーションや文化への理解、関係各者とのリレーションシップなので、JATAとの関係構築はとても重要と捉えている」と答えた。

会場内では時折、こうした伝統的な音楽や踊りなどが披露されていた

 一方、西山氏はインダバ会場内での本誌のインタビューに対し、「現在のアフリカはとても小さなマーケットだが、日本とは異なる文化や習慣、風俗など『異日常』が体験できるエリアで、大きなポテンシャルを秘めている。しかし治安面をはじめ、現地での移動や宗教的な制約など、旅行者にとっては高いハードルも存在する。現地関係者と緊密に情報交換や連携をはかり、安心・安全な旅行サービスを提供できるよう南アフリカ観光局と協力していきたい」と語った。

 また南アフリカ観光大使でもある、JTBグローバル事業本部国際部長の古澤徹氏もインダバを訪れていた。「アフリカという土地を知るには、その土地の魅力を体験することがとても大事。現在、アフリカを訪れる日本人観光客はシニア層が中心だが、これからは若い方々にも来ていただきたい。そのため南アフリカの関係者と協力し、情報発信や訪問しやすい環境作りに貢献していきたい」と述べた。なお日本から南アフリカへの旅行者数は、2017年通年で前年比6.2%増の2万7410人を記録している。

デレク・ハネコム観光大臣を表敬訪問。(右から)ブラウワー氏、西山氏、ハネコム観光大臣、古澤氏

 最後に南アフリカ観光局アジア太平洋地区プレジデント代理のブラッドリー・ブラウワー氏に、南アフリカと日本との関係について語ってもらった。ブラウワー氏は「現在、日本からの観光客はミドル・シニア層が大半を占めているが、若年層の個人旅行者も増加傾向にある。そしてJOTCの中近東アフリカ部会では、2020年に現在よりも2万人ほど旅行者を増やすという目標を掲げている」と現状を説明したうえで、「今年のインダバにJATAを招待して観光大臣およびCEOとミーティングをし、お互いの協力関係を話合うことができ、日本と南アフリカの関係をより強化することができた。目標達成のため、日本の旅行業界のみなさんには引き続き協力をお願いしたい」と呼びかけた。

取材協力:南アフリカ観光局
取材:竹井智