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週間ランキング、スカイマークのサイパン就航、「NDC特集」も

[総評] 今週の1位は、スカイマーク(BC)によるサイパン線の就航がほぼ確実となったことをお伝えした記事でした。デルタ航空(DL)の運休によりオフラインになったマリアナ諸島ですが、これで定期便の復活に目処がつきました。いうまでもなく定期便の有無は旅行需要に大きな影響を与えますので、関係者の皆様もほっとされているのではないかと想像します。

 もちろん、BCにとって国際線区間で定期的に便を飛ばすのはこれが初めてですし、就航するから成功するというものでもなく、むしろこれからが重要になっていくでしょう。サイパン線はほとんど日本からのアウトバウンド需要で成り立つ路線ですから、観光局や旅行会社との連携も不可欠です。

 思い返してみると、BCは15年1月末に民事再生手続の開始を申し立て、結果的にはANAホールディングスに軍配が上がりましたがDLも再建支援に手を挙げた経緯があり、また2011年からDLスカイマイルの特典交換対象としてBCの座席を提供しており、不思議な因縁があります。

 また、BCに関していえば、民事再生手続開始を申し立てるほんの1年前の段階では、A380型機で成田/ニューヨーク線に就航する計画を意気軒昂に示されたわけで、結果的には全日空(NH)がA380型機でハワイへ就航する計画に繋がったことを思うとこれも不思議な縁です。

 さらに、話はそれますがニューヨーク線の発表と同時に披露された「ミニスカ制服」に対する賛否両論も含めて、当時社長を務めておられた西久保愼一氏の率いるBCは色々と型破りな印象だったことも思い出されます。現在ではその面影は感じられず、もちろん稼げなければ、会社が存続できなければいくらユニークでも意味がないのは理解しつつも、個人的には少しさみしさも覚えます。

 とにもかくにも、BCが国際線の第一歩とするサイパン線はDLが音を上げた路線であり、そこでBCがどのようなパフォーマンスを見せるかは大変興味深い点ですので、トラベルビジョンとしてもこれからの準備期間を含めて随時お伝えしていきたいと思います。

 また、今週のランキングでは4位に「NDC特集」のコンテンツがランクインしいました。詳細は記事をご覧いただければと思いますが、簡単にいうと航空券が製造元である航空会社から消費者の手元に渡るまでの情報流通に関わる規格です。数年前から国際航空運送協会(IATA)の主導で準備が進められていたもので、ここにきて日本でも話題になることが増えてきました。

 とはいえ、なかなか理解しにくい分野ですし、聞き慣れない会社も多く登場する話題であることから、特集ではなるべくベーシックな部分から実際にその規格を活用している最前線まで、また概念的な旅行業界全体への影響からミクロ的に旅行会社の現場で起きうる変化まで、なるべく網羅的に様々なコンテンツをご用意していきたいと考えています。

 しばらく継続していく予定ですので、こんな情報が知りたい、あるいはNDCに関わる自社の取り組みやサービスを紹介したい、などなどご要望がありましたら是非お知らせいただけますと幸いです。(松本)