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台湾、光の祭典「ランタンフェスティバル」開催、今年は嘉義で

  • 2018年3月28日

過去最大の延べ1000万人超が参加
足を伸ばして台南観光も

ノスタルジックな神農街や林百貨店
古都・台南で新旧の台湾を満喫

台湾新幹線の移動では駅弁も楽しい旅のアクセントに。写真は駅構内で販売されている人気の「排骨飯」

 嘉義から台湾新幹線で1駅南下したところに南部の古都、台南がある。近年、美食の街としても人気を呼んでいるが、日本の「京都」にもたとえられるこの街のいちばんの魅力は、歴史ある街並みが醸し出す独特の風情だ。

新装開店後、新しい台湾文化の発信地として人気を集める「林百貨店」

 そんな台南で人気スポットの1つとなっているのが林百貨店。日本人実業家の林方一が1932年に創設したデパートで、古い建物の風格を残しながら2014年にリニューアルオープンした。1階はリビング、2階はデザイン、3階はファッション、4階はカルチャーとフロアごとにテーマが設けられ、台湾の新しい文化の発信地としての機能を担う。コンセプトを、台南を中心とする台湾に絞っていることも、観光客の人気を呼ぶ要因の1つだろう。

ノスタルジックな雰囲気で人気上昇中の「神農街」

 最近、若者たちを中心に人気を呼んでいるのが「神農街」と呼ばれる通り。かつて河川貿易が盛んだったこのエリアには、1階を商店、2階を倉庫などに使っていた築100年を超える建物が残り、これらを利用した雑貨屋やカフェ、バーなどが軒を連ねる。夕刻、赤や橙色の提灯がほのかに通りを照らすと、ノスタルジックな雰囲気満点だ。

台南発祥の地「安平」をそぞろ歩き
涼を求めて緑のトンネルをクルーズ

安平にある豆花の老舗人気店「安平豆花」。緑豆やタピオカ、小豆、レモンなどをトッピング

 台南の中心街から車で20分程の場所には、台南発祥の地とされるエリア「安平」がある。オランダ統治時代の軍事要塞「安平古堡」や、航海の守り神の媽祖を祀った「安平開台天后宮」といった歴史的スポットを訪れた後は、土産屋や屋台が並ぶ「延平老街」へ。台南の味を楽しむのに格好の通りだ。沖縄のシーサー同様、剣を咥えた獅子を家の壁や門の上に飾る習慣のあるこの街は、古い民家を見て歩くだけでも楽しい。

マングローブのトンネルを進む30分のクルーズ

 マングローブが茂る湿地「四草生態文化園区」もぜひ訪れたい。かつての内海だった場所が、河川の流れの変化で潟湖となったことで独特の生態が残されている。運河に張り出すように茂るマングローブのトンネルを静かに進む30分のクルーズでは、サギやシオマネキなどの生物も観察でき、川面の涼しい風を感じながらしばしゆったりとした時間を楽しめる。

 来年に30回の節目を迎える「台湾ランタンフェスティバル」は、台湾南部の屏東県東港の大鵬湾に場所を移し、2月19日から3月3日まで開催される予定だ。台南をはじめとする南部の魅力と合わせて、台湾への送客の理由付けとしたい。


取材協力:台湾観光局/台湾観光協会東京事務所
取材:佐藤淳子