itt TOKYO2024

現地レポート:メキシコ中央高原のコロニアル都市を歩く

  • 2017年7月5日

世界遺産の街並みを楽しみながら
女子旅の可能性も探る

レストランやワイナリーで食の魅力も堪能
治安の問題は「旅行者に関係なし」

サンティシマ・トリニダー社では工場見学とテイスティングが可能  グアナファトと同様に旧市街が世界遺産に登録されているサン・ミゲル・デ・アジェンデだが、特筆すべき観光スポットと言えば、中央広場に位置する、独特の外観が印象的なパロキア教会ぐらい。街の雰囲気を楽しみながら、気になったレストランやカフェを覗き、じっくりと散策するには良い街といえるだろう。なお、歴史好きの旅行者向けには近郊に、サン・ミゲル・デ・アジェンデの旧市街とまとめて世界遺産に登録された18世紀の教会群「ヘスス・デ・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地」があるし、グルメ向けには質の良いワインを生産するサンティシマ・トリニダー社などのワイナリーがあり、見学に応じている。

「月のピラミッド」の急な階段。登り切ると古代都市の素晴らしい眺めが広がる  グアナファトとサン・ミゲル・デ・アジェンデでそれぞれ2泊した後は、首都のメキシコシティに移動。それまでのコロニアル調のホテルとは打って変わって、ビジネス街の中心にある「シェラトン・メキシコシティ・マリア・イサベル」に宿泊し、最終日には郊外にある、紀元前の巨大都市の遺跡であるテオティワカンを観光した。

 テオティワカンは、同国では真っ先に世界遺産登録されたメキシコ観光の目玉の1つで、高さ65メートルの「太陽のピラミッド」と47メートルの「月のピラミッド」などで構成する遺跡群は圧倒的なスケール。メキシコシティ名物の朝晩の交通渋滞さえ避けることができれば、1時間程度でアクセスできる近さも有難い。

 なお、メキシコが誇る世界遺産は有形のものに限らず、旅行者にとって身近なところでは2010年に「メキシコの伝統料理」が無形文化遺産に登録されている。食文化そのものが世界遺産に登録された例は、和食やフランス料理などごく少数に限られており、この国の食文化の多様性や奥深さを証明していると言えるだろう。

サン・ミゲル・デ・アジェンデのオーガニック・カフェ「ビア・オルガニカ」は、内装もおしゃれ  勿論、今日ではモダンな解釈による洗練されたメキシコ料理を提供するレストランも多い。また、今回のツアーでは、地元の生産者が育てたオーガニックの食材のみを使用する今風のカフェなども取材し、日本人が抱くステレオタイプなイメージとは違う、メキシコの新たな一面を見ることができた。

 今回のツアーに同行したメキシコ観光MICE・マーケティング・ディレクターの宮良高雄氏は、日本人のメキシコ観について「欧米人に比べて、まだまだ『治安が悪くて埃っぽい所』といったイメージを持っている方が多い」と説明。その上で「今回のファムツアーで、メキシコにもお洒落で楽しいスポットや見どころが多いことを知っていただければ」と語った。

(左から)メキシコ観光の喜代田氏と宮良氏  同社セールスマネージャーの喜代田誠人氏も「メキシコは危ない、という人もいるが、北部の麻薬組織の抗争などは日本人旅行者には関係のない話。イスラム原理主義者によるテロなども発生していない」とメキシコ旅行の安全性を強調。受入環境については「ここ10年から15年ほどでメキシコ人や欧米人による投資が進み、全土のホテルやレストランなどが洗練されてきている。今回のファムツアーでは、外国人旅行者の求める品質に応えられるインフラが整っていることを実感してもらえたはず」とアピールした。

※近日中にフォトニュースを掲載します

取材協力:アエロメヒコ航空、メキシコ観光
取材:本誌 行松孝純