インドネシア、17年は日本人76万人へ、XT新就航に期待

  • 2017年5月24日

レトノ氏  インドネシア共和国観光省はこのほど、都内でメディア向けのセミナーを開催した。来日した同省国際マーケティング部アジア太平洋地域副部長のヘリ・レトノ・インドリジャニ氏は、インドネシア政府が2019年の全世界からの訪問者数の目標として、16年比66.4%増の2000万人をめざしていることを説明。17年の目標は24.7%増の1500万人であるとし、「第5位の市場である日本については、前年比48.5%増の76万2000人をめざしたい」と意欲を述べた。

 一方、本誌の取材に応えた同省ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所代表の成田忠彦氏は、76万2000人という目標について「あまりにも高すぎるので見直されるのでは」との考えを語るとともに、「17年は13.1%増の58万人をめざしたい」と慎重な姿勢を示した。16年の日本人訪問者数は2.9%減の51万3000人。バリ島のみの訪問者数は1.8%増の23万3387人となったものの、バリ島に次いで日本人が多く訪れるジャカルタは5.6%減の22万8209人となるなど、全体では前年を下回った。17年は、1月から3月の累計で5.9%減の12万2489人と伸び悩んでいるという。

成田氏  成田氏は、16年は訪日インドネシア人が32.1%増の27万947人だったことを説明。「中国人やシンガポール人の訪日旅行も多く、日本人が利用できる航空座席が直行便、経由便ともに不足している」と語り、座席供給量の少なさを課題として挙げた。その上で、インドネシア・エアアジアX(XT)が5月25日から、成田/デンパサール線を週4便で開設し、6月18日からデイリー化することに触れ、「XTの日本初就航が起爆剤になれば」と期待を示した。

 同国は現在、バリ島の東に位置するロンボク島のマンダリカや、南スラウェシのワカトビ、世界遺産のボロブドゥールなどの10ヶ所の観光地を、バリ島に次ぐ観光地として開発しているところ。今後は旅行会社向けの商談会やメディアを通じてアピールすることで、バリ島に集中する日本人の旅行需要の分散をめざす。

 このほか、セミナーではレトノ氏が、10ヶ所の観光地開発の進捗状況として、高速道路や港湾、滑走路などの交通インフラの整備を進めていることを紹介。国際的なチェーンホテルなどが進出し、宿泊施設が増加していることも伝えた。