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JTB-CWTと出張管理のコンカーが業務提携、BTM推進へ

  • 2017年3月13日

 JTBグループで600社以上にビジネストラベルマネジメント(BTM)サービスを提供しているJTBビジネストラベルソリューションズ(JTB-CWT)と、米国コンカー・テクノロジーズ社の日本法人でクラウド型の出張予約・管理サービス「Concur Travel」などを提供するコンカーはこのほど、業務提携を開始した。両社は今後、2社の既存顧客を中心にConcur Travelの提案を開始し、3年間で100社への新規導入をめざす。

 JTB-CWTは導入に際してコンサルティングをおこなうとともに、国際航空券の予約・発券やビザ取得、サプライヤーとの交渉、出張プログラムの最適化など一連のBTMサービスを提供。協業により日本におけるBTMサービスの普及に取り組む。

 3月10日に開催した記者会見でコンカー代表取締役社長の三村真宗氏は、人手のサービスに依存した日本企業の出張管理業務は、欧米企業に比べて20年遅れていると主張。その上で「高度にIT化することで、まずは海外並みに引き上げたい」と意欲を示した。日本CFO協会が昨年6月に、コンカーの協力のもと国内企業の財務幹部287人に実施した調査によると、6割以上が出張プロセスの厳格化が、85%が海外出張費用の可視化が必要と回答。また、半数以上が社内旅費規程における違反が発生していたと答えたという。

 同社が強くアピールする「Concur Travel」は海外出張専門の航空券やホテルなどの予約・管理サービスで、日本市場では2016年の本格導入後、大手の製薬会社や造船会社など大企業11社が導入しているという。三村氏はリスク管理用サービスの「Concur Risk Messaging」、経費精算用の「Concur Expense」などと併用してプロセスを統合することで、効率化に加えて従業員の安全管理強化やコスト削減などを実現できることをアピールした。「Concur Travel」と「Concur Expense」の全世界のユーザーは3万5000社・4500万人に上る。

 会見ではJTB-CWT取締役営業担当の中村一郎氏も挨拶し、「協業には我々にとっても非常に重要」と強調。「これまでの出張管理は手配に重きが置かれていたが、近年は日系企業も活動がボーダーレス化し、変革が急務となっている」と述べた上で「単なるコスト削減だけでなく企業活動の最大化に向けて、BTMの戦略的活用が進むように取り組みたい」と意欲を示した。また、パートナーのカールソン・ワゴンリー・トラベルが全世界に有する約3000の拠点との連携にも期待を示した。

 この日はそのほか、三村氏がコンカーのクラウドサービス群や多数の外部パートナーなどを結びつける構想「パーフェクトトリップネットワーク」についても説明した。海外出張用の「Concur Travel」に加えて、国内出張についてもOTAや航空会社、ホテル、レンタカー会社、民泊仲介業者などが提供する予約システムと連携し、一元的な出張管理を実現するもので、予約データは確認メールなどを介して旅程管理システムの「TripIt」が自動的に取得。経費精算は「Concur Expense」でおこない、その後の分析までをワンストップで提供することで、「日本企業の出張業務に変革をもたらしたい」という。