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エア・カナダ、来夏からの中部線に期待、「西海岸需要もらう」

  • 2016年10月2日

(左から)ワイス氏、ロヴィネスク氏  エア・カナダ(AC)は社長兼最高経営責任者のカリン・ロヴィネスク氏の来日にあわせて、9月30日にメディア向けの戦略発表会を実施した。ロヴィネスク氏は、前日に発表した2017年6月からのエア・カナダ ルージュで運航する中部/バンクーバー線について「11年ぶりに戻ってきた路線であり、是非とも成功させたい」と強調。既存の日本路線とともに注力する考えを示した。

 AC日本支社長のワイス貴代氏は、現在の中部/北米間はデルタ航空(DL)のデトロイト線しか運航されていないことを説明した上で「バンクーバー線を運航することで、米国西海岸行きの需要を全部持っていけるのではないか」と期待を語った。需要は日本発が中心となる見込みで、ロードファクターは85%以上をめざすという。

ロヴィネスク氏  エア・カナダ ルージュは、ACが2013年7月に設立したレジャー客向けの「LCCとFSCのハイブリッド型航空会社」で、中部線についても主な利用者は観光客となる見込み。ロヴィネスク氏によればビジネス需要は「ある程度は見込めるが、ACで飛ばすほどのボリュームではない」ことから、業務渡航者には「カナダ国内線のビジネスクラスと同レベル」の上級クラス「プレミアムルージュ」をアピールする。今後の日本での展開は、羽田線と成田線については引き続きACで運航し、地方路線については関空/バンクーバー線と同様にルージュでの就航を検討するという。

 同氏はそのほか、今後の日本市場では米国や南米などへの乗継需要の取り込みにも注力する方針を示した。特に旅行会社の商品造成に期待する考えで「ポイントトゥポイントの単純往復なら航空会社でも販売できる。カナダ以遠を訪問する複雑な旅程のツアーを旅行会社が販売してくれることは非常にありがたい」という。

 羽田線については「スロットさえ取れればバンクーバー線の新規開設や、既存のトロント線の増便を実施したい」とコメント。なお、羽田/バンクーバー線については全日空(NH)がデイリー運航中で、ACはコードシェアを実施しているが、同氏は「コードシェアを実施していても、共同事業はおこなっていない。まずはACとして就航したい」と話した。