外務省、リオ五輪で再度の注意喚起、日本人も被害複数

  • 2016年8月15日

 外務省はブラジルのリオデジャネイロで開催中のオリンピック競技大会と、9月7日から18日まで開催予定のパラリンピック競技会に関して、日本からの旅行者に向けた新たな注意喚起を発出した。同省はオリンピック開幕前の7月下旬にも第1弾の注意喚起を発出しているが、開幕以降に日本人の被害が複数発生していることなどを踏まえて、改めて注意を促している。

 外務省は現在、在リオデジャネイロ総領事館がウェブサイトの特設ページで最新情報を提供しているほか、市内には日本人観戦客用の相談窓口として「現地連絡室」を設置し、日本人の安全確保に努めているところ。しかしこれまでには「ガレオン国際空港到着時に、声をかけられて注意をそらした隙に、荷物を置き引きされた」「夕刻にコパカバーナ海岸を歩いている際、単独ないし複数人のグループから、拳銃のようなものまたはナイフで脅され、現金を奪われた」「市内のレストランで、目を離している隙に鞄などを盗まれた」など複数の被害が報告されているという。

 今回の注意喚起では「目立たない服装を心がけ、常に警戒や用心を怠らないようにする」「単独での外出や夜間の外出などを控える」「貴重品は最小限のものを分散して所持する」「カメラやスマートフォンなどは極力人目に付かないようにする」など、具体的な心構えや行動を多数例示。移動時については流しのタクシーやバス、徒歩での移動を極力避けること、タクシー乗車中は必ず窓を閉めることなどを呼びかけているほか、スタジアム付近など不特定多数の人が集まる場所やデモが予定されている地域に近づかないようにすることも求めている。

 また、7月下旬にブラジル連邦警察がイスラム教過激派組織ISILの宣伝やテロ行為の準備に関与したブラジル人12名を拘束したことを踏まえて、引き続き「開催期間中にテロや誘拐などの不測の事態に日本人が巻き込まれる可能性を排除できない」と強調。ジカ熱やデング熱などの感染症に対する予防、「たびレジ」への登録などについても改めて要請している。