夏の国内旅行者数は1%減、東北や九州は増加-JTB予想

  • 2016年7月3日

 ジェイティービー(JTB)がこのほど実施した旅行動向調査で、夏休み期間(7月15日~8月31日)の宿泊を伴う国内旅行者数の予想は、前年比1.0%減の7485万人となった。交通費や宿泊費、土産物代、食費などを含めた1人あたりの平均費用は2.9%減の3万3700円で、国内旅行全体の総消費額は3.9%減の2兆5226億円となる見通しだ。

 調査は、6月2日から14日まで全国の15歳から79歳までの男女を対象に実施した旅行動向アンケートと、JTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向、経済動向から推計したもの。今年で48回目となる。

 旅行先を方面別で見ると、関東が0.4ポイント増で全体の20.6%を占め1位に。前年からの伸び率は、東北が4.1ポイント増の12.1%で最も高く、以下は九州が1.4ポイント増の10.4%、北海道が0.8ポイント増の6.9%で続いた。JTBでは、北海道新幹線が開業したことによる北海道と東北への注目や、4月に発生した九州地震に対するボランティア需要などが、それぞれの伸びにつながったとの見方を示している。出発日のピークは、ツアーの予約状況から8月12日から15日までを予想する。

 旅行動向アンケートの結果によれば、旅行の目的を問う質問では「帰省、離れて住む家族と過ごす」が全体の19.4%で最も多かった。以下は「自然や風景を楽しむ」と「温泉でゆっくりする」が同率で14.8%、「テーマパーク・レジャー施設」が9.3%で続いた。

 同行者に関する質問では、「家族連れ(中学生までの子供連れ)」が全体の31.9%で1位に。以下は「家族連れ(夫婦のみ)」が17.1%、「友人・知人」が11.4%で続いた。

 利用する交通手段で最も多かったのは乗用車で、1.0ポイント減の64.0%。前年からの伸び率では、鉄道が2.8ポイント増の23.8%と最も伸長した。JTBでは北陸新幹線と北海道新幹線の開業などにより、地域の観光列車が人気を博しているとの見方を示している。そのほかは「長距離バス・貸切バス」が0.8ポイント増の6.2%と増加した。

 利用する宿泊施設については、「ホテル」が最も多く1.7ポイント減の42.7%。次いで、「実家・知人宅」が5.5ポイント増の27.3%、「旅館」が2.0ポイント減の25.9%だった。