15年度の旅行収支は1.3兆円の黒字-3月は1104億円の黒字

  • 2016年5月19日

 財務省がこのほど発表した国際収支状況の速報値によると、2015年度の旅行収支は1兆2731億円の黒字で、前年の2547億円から大幅に増加し、1996年度以降で最大の黒字となった。日本政府観光局(JNTO)によると、15年度の訪日外国人旅行者数は過去最高となる45.6%増の2135万8950人。一方、出国者数は1.8%減の1636万9236人だった。

 サービス収支は1兆5144億円改善し、1兆2109億円の赤字となった。同省によると旅行収支に加えて、知的財産権等使用料が96年以降で過去最大の黒字となったことなどから、96年以降では最小の赤字になったという。

 貿易収支は6299億円で5年ぶりに黒字に転化。サービス収支とあわせた「貿易・サービス収支」は5810億円の赤字となり、赤字幅を大幅に縮小した。15年度の国際収支の経常収支は、前年から9兆2507億円増となる17兆9752億円の黒字だった。

 3月単月の旅行収支は1104億の黒字で、昨年の633億円から黒字幅を拡大し、96年以降では3月として過去最大の黒字となった。黒字の計上は17ヶ月連続。JNTOによると3月の訪日外国人旅行者数は単月としては過去最高となる31.7%増の200万9500人で、出国者数は2.7%増の157万5000人だった。

 旅行収支が過去最大の黒字を記録したことなどから、サービス収支も黒字幅を2429億円に拡大し、96年以降の単月では過去最大の黒字となった。黒字の計上は2ヶ月連続。貿易収支は9272億円の黒字で、貿易・サービス収支は1兆1701億円の黒字となった。経常収支は2兆9804億円の黒字で、14年7月から21ヶ月連続で黒字を記録した。