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バス検討委、旅行会社関連の対策で議論、情報提供や通報など

  • 2016年2月21日

 国土交通省の「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」は2月19日に開催した第3回会合で、旅行会社に関係する安全強化策について議論し、同省が貸切バス事業者に関する情報を消費者に提供する体制を構築するほか、旅行会社とバス事業者の取引関係の適正化に向け、国交省と業界団体がそれぞれに通報窓口などを設置する方針を固めた。1月に発生した今回の事故では、バス事業者による数々の法令違反が明らかとなっており、なかでも業務請負において貸切バス運賃の下限額を下回る「下限割れ運賃」での契約などが問題視されている。

 この日の会合では国交省が、旅行会社および利用者への情報提供に関する現行制度上の問題点について説明。旅行会社が安全性に関係する情報に基づいてバス事業者を選択できる仕組みが整っていないことに加え、利用者にとっても、バス事業者の安全性に基づいて旅行商品を選択するための情報が不足していることを指摘した。

 それらの問題点を含めた今後の見直しに向け、同省は道路運送法で定められている安全情報の公表事項を増やし、バス事業者から提供される車齢や運転手の年齢、安全装備の有無などの情報を整理。比較検索サイトや旅行会社を通じて情報提供をおこなっていく考えを示した。旅行会社は利用者に対し、旅行商品で使用するバス事業者の名称や、日本バス協会の「貸切バス事業者安全性評価制度」(セーフティーバス)の取得情報を提供する。

 同省は関連する緊急対策として、ウェブサイトで公表しているバス事業者の過去3年間の行政処分状況の更新頻度を、月1回から3回に増加せさていることなどを報告した。また、今年の3月中を目途に、行政処分情報を検索できるスマートフォン用サイトも開設するという。

 そのほか旅行会社に対しては、使用するバス事業者が早期に決まっている場合には、旅行商品の広告に会社名と安全面に関する情報の明記を求めることとした。少数の事業者に絞り込めた場合は「A社、B社またはC社」などと記し、急な代車が発生してバス事業者をあらかじめ明記できない場合には、出発の7日前から10日前までに利用者に交付する最終日程表において、会社名などを知らせるよう求める。掲載方法については検討を進める。

 今回の事例のような「下限割れ運賃」による契約や、過大な手数料による赤字運行の防止に向けては、旅行会社などがバス事業者から提示された運賃および料金について、バス事業者が届け出ている上限額・下限額の範囲内であるか否かの確認が容易になるよう、運送申込書および運送引受書の記載事項に上限額・下限額の記載を追加する。

 あわせて、国交省自動車局内に運賃違反に関わる通報窓口を設置。通報を受けた場合はバス事業者に監査などをおこない、必要に応じて行政処分をおこなう。また、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)、日本バス協会の3団体に協力を求め、弁護士や会計士など専門家による独立性の高い通報対応組織を設置。旅行会社についても、法令違反を確認した際には行政処分などを実施する。国交省の通報窓口が得た情報は同組織に報告する。

▽イーエスピーの事業許可取り消しが決定
 なお、国交省関東運輸局は2月19日付けで、今回の事故を起こしたバスを運行していた東京都羽村市のイーエスピーに対し、事業許可の取消処分をおこなった。同局はイーエスピーに対して、事故発生当日の1月15日から17日までと、29日に特別監査を実施。2月19日に同局が非公開の聴聞を実施し、同社を含む利害関係者の意見を徴収した上で、正式決定するとしていた。