ピースボート主催旅行会社のジャパングレイス、他社への卸売検討

  • 2015年9月8日

ジャパングレイス取締役の山本隆氏  NGO団体「ピースボート」の企画クルーズのツアーを主催・販売するジャパングレイスは、同ツアーの他社への卸売を検討中だ。現在、ピースボートのクルーズ旅行商品はジャパングレイスのみで販売している。同社取締役の山本隆氏は本誌のインタビューに答え、販路の拡大に意欲を示した。さらに、顧客の利便性を考慮し、インターネット経由の販売やサービスなどの充実もはかっていく方針。

 現在、同社ではウェブサイトやソーシャルメディア、紙媒体や飲食店でのポスターの掲出などにより、ピーアールをおこなっている。また、年に数回、船内見学会を実施するとともに、全国各地で週に15回ほど説明会を開催し、参加者を募集している。山田氏は、こうした説明会では船内生活の細かい部分まで尋ねる質問が多く、実際に乗船したスタッフでなければ回答することが難しいと説明。「お客様からの質問に(一般の旅行会社では)なかなか答えられない」点を課題として挙げ、そのため今まで直販のみをおこなってきたと語った。

 同氏によると、今まで世界一周クルーズの参加者とは、同社スタッフが説明会や電話、店舗などを通じてコミュニケーションを取ってきた。しかし、インターネットが盛んになり、同社の顧客の約6割から7割を占めるシニア層もインターネットを活用するようになってきたことを踏まえ、例えばインターネット系の旅行会社に商品を卸売し、カスタマーサポートなどの問い合わせをジャパングレイスで受けるなどの方法もあるとした。

 また、同氏はピースボートが世界一周のロングクルーズに加え、ショートクルーズを展開していることを紹介。ショートクルーズをフックに、世界一周クルーズに繋げたい考えを示した。例えば韓国のNPO「環境財団」と協力し、日本と韓国からそれぞれ同数程度が参加する「PEACE&GREEN BOAT」クルーズは9泊10日と短い。今年で8回目を迎えており、来年も実施する予定だ。さらに、今年は春に初めてショートクルーズを実施。神戸発博多着の「春の沖縄・台湾巡り9日間」や、博多発神戸着の「韓国・済州島と瀬戸内海の旅5日間」など、5日間から13日間のクルーズを計4本実施した。来年も横浜発着で佐世保、済州島、広島をめぐる9日間のクルーズをおこなう予定だ。

 このほか、ジャパングレイスではピースボートでのフライ&クルーズも販売。16年5月のツアーとして、春の地中海と北欧の13寄港地を33日間で周るクルーズと、地中海、北欧からプリンス・エドワード島を訪問する40日間のクルーズを用意した。

 なお、ピースボートは1983年からクルーズを実施。当初は2週間程度でアジアを周遊するクルーズをおこなっていた。世界一周クルーズは90年から開始しており、ジャパングレイスは95年からピースボートによる企画クルーズを主催。現在はプルマントゥール・クルーズの「オーシャンドリーム」(3万5265トン、乗客定員1422名)をチャーターし、世界一周クルーズを年3回実施している。