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南ア、15年はシニア、富裕層の取込強化-観光大使に高橋ひとみさん

  • 2015年7月13日

(左から)南アフリカ観光局のブラッドリー・ブラウワー氏、観光親善大使に任命された高橋ひとみさん。任命式では、高橋さんが仕事で訪れた南アフリカでの体験を「忘れられない素晴らしい体験だった」と語り、「日本人にまだ知られていない部分が多いのではないかと思う。もっとたくさんの人に体験していただきたい」と話した  南アフリカ観光局が7月10日、都内で開催したセミナー&ワークショップで、同局アジア太平洋地区プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏は取材に応え、今年はシニア層、富裕層への取り込みを強化するとともに、若者層向けのプロモーションも継続する方針を示した。2014年の南アフリカへの日本人渡航者数は5%減の2万7504名。ブラウワー氏は「野心的な目標ではある」としながらも、2015年は5万5000人をめざしたいと意気込みを述べた。

 同局ではシニア層、富裕層向けのプロモーションの一環として、同日観光親善大使に女優の高橋ひとみさんを任命。高橋さんを通じて豪華列車ブルートレインでの旅や、ダイヤモンド鉱山の見学など、南アフリカでのラグジュアリーな旅行をアピールしていきたい考え。ブラウワー氏は「リタイアしたシニア層で、ビジネスクラスを利用し現地での消費額も高い富裕層に対し、新しい旅先として南アフリカでの豪華な旅をアピールしていきたい」と語った。

 さらに、同局が「ワンダークラスター」と呼ぶ、20歳から35歳くらいまでの旅慣れた若者層についても、ピーアールを継続。昨年に旅行会社と実施した「価格訴求型ツアーキャンペーン」を引き続きおこない、手ごろな旅行代金でツアーを提供することで旅行者増をはかる。また、ブラウワー氏は「若者層は冒険的なアクティビティを体験したい」傾向が強いとし、ダイビングに加え、ケージに入ってサメに近づく「シャーク・ケージ・ダイビング」やワニに近づく「クロコダイル・ケージ・ダイビング」などのアクティビティを訴求していくと語った。

 このほか、南アフリカ観光局ではフォートラベルと「My South Africa Story」と題した、旅行記を活用したプロモーションを実施。旅行記からフォートラベルに掲載されている南アフリカへのツアーへの誘導をはかり、渡航者増に繋げたい考えだ。今年3月には50代、30代、20代のフォートラベル会員に南アフリカを訪れてもらい、その際の体験を書いてもらい、旅行記として掲載。今後さらに2名の会員に南アフリカを体験してもらい、10月と2016年1月に新たな旅行記を発表する。2016年3月まで継続して展開していく計画だ。

(左)南アフリカ観光局アジア太平洋地区プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏。今回ワークショップで来日したメンバーと  加えて、同氏は、昨年にアフリカ西部で発生したエボラ出血熱についても言及。南アフリカでは1人も感染者が出ていないが、風評被害によるイメージの悪化があったと説明し、今年は「エボラ出血熱に関する誤解をとき、正しい情報を提供していきたい」と語った。

 なお、セミナーではツアネ市デスティネーションマーケティングアンドリサーチ担当ディレクターのネリスワ・ンカニ氏が登壇し、首都ツアネ(プレトリア)について、10月から11月に満開を迎えるジャカランダの花や、周辺にあるディノケン地域の野生動物保護区でのビッグファイブサファリ、各地に点在するネルソン・マンデラ氏ゆかりの地などをアピール。また、近郊のカリナンではダイヤモンド鉱山があり、4時間かけて発掘現場を見学するツアーも紹介した。