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グリーンランド、デンマーク皇太子がトップセールス、日本人誘客で

  • 2015年3月29日

デンマーク王国皇太子のフレデリック殿下 デンマーク大使館は3月27日、翌日から都内で開催するグリーンランド文化に関する展覧会「スピリチュアル グリーンランド」の開催を記念し、「グリーンランド観光セミナー」を実施した。グリーンランドはデンマークの自治領。セミナーには来日中のフレデリック皇太子や、グリーンランド自治政府首相のキム・キールセン氏などが出席し、オーロラ観測や犬ぞり体験などの魅力をアピールした。

 冒頭で挨拶したフレデリック皇太子は、自身が何度もグリーンランドを訪問していることを強調。「第2の故郷であり、何時間でもその魅力を語ることができる」と熱弁をふるった。また、オーロラや氷山などの自然の美しさ、犬ぞりやホエール・ウォッチングなどの野外アクティビティーの楽しさについて語り、「家族旅行でも大いに楽しめる。より多くの日本人にグリーンランド観光を楽しんでもらいたい」と呼びかけた。

グリーンランド自治政府首相のキールセン氏 グリーンランド自治政府首相のキールセン氏は、グリーンランドの概要について紹介するとともに、伝統文化や人々のホスピタリティーなどの素晴らしさについてもアピール。来日したグリーンランド航空(GL)や現地旅行会社の担当者と、日本の旅行会社による商談の活発化に期待した。

ビジット・グリーンランド代表取締役のステンバケン氏 グリーンランドの政府観光局「ビジット・グリーンランド」の代表取締役を務めるアナス・ステンバケン氏は、デンマーク本土や隣国のアイスランドなどからのアクセス方法について説明。5月から9月の期間はクルーズ船による訪問も可能であることを紹介した。また、「人が住んでいる場所では携帯電話もインターネットも使用できる」と、現地での生活は近代的であることを強調。「冒険的要素の強いものから安全性なものまで、さまざまなアクティビティを提供できる」とアピールした。

 デンマーク政府の統計によれば、グリーンランドを訪れた日本人旅行者数は、2011年以降は250人から400人の間で推移しており、2014年には393人にまで増加。本誌の取材に応じたステンバケン氏は、訪れる日本人旅行者はSIT志向が強く、年齢層も幅広いと説明した。2015年の目標については、前年の旅行者数を上回ることを挙げた。

 ステンバケン氏は、日本人の大多数がツアーでグリーンランドを訪れていることから、今後の訪問者増のためには「日本の旅行会社との関係が重要」と明言。セミナーとあわせて開催された商談会で、日本の旅行会社と強固な関係を構築したいとした。日本市場に特化したプロモーション体制の整備は、現時点では難しいものの、写真や映像などをインターネット上で豊富に無料配布しており、活用を促すという。