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ANAHD、13年度増収減益、円安響く-14年度は羽田に期待、増収増益予想

  • 2014年5月1日

 ANAホールディングス(ANAHD)の2014年3月期(2013年4月1日~14年3月31日)の連結業績で、売上高は国際線が好調だったことなどで前年比7.9%増の1兆6010億円と増加した。一方、営業費用は11.3%増の1兆5350億円と増加。営業利益は36.4%減の659億円と減少した。

 同社によると、前期のボーイングB787型機の運休や事業規模拡大による費用増、円安、燃油費などの増加、航空機などの資産償却方法の見直しなどが響いたという。このうち、円安による費用増は約590億円だったが、海外販売の外貨建て収入増も400億円あったことで相殺し、営業利益への影響額は約190億円となった。経常利益は44.2%減の429億円、当期純利益は56.2%減の188億円。

 航空事業では売上高が7.9%増の1兆3952億円と増加したが、事業規模拡大による費用増や為替の影響などで営業利益は26.6%減の653億円と減少。燃油費は約22%増の662億円増えたという。

 国際線旅客数は1.0%増の633万人。ビジネス需要が大きな伸びを示し、レジャーも堅調に推移した。方面別では北米、欧州とバンコクやシンガポール、ジャカルタなどのアジアの中長距離路線が好調だったほか、中国も需要が回復したという。

 旅客収入はビジネスクラスの需要増やイールドマネージメントの強化、円安で海外販売の外貨建て収入が増えたことなどが奏功し、13.5%増の3953億円。旅客単価も12.4%増と増加した。旅客収入のうち、他社とのジョイントベンチャー(JV)事業などによる海外での販売は旅客数の4割、旅客収入の3割強を占めた。具体的にはユナイテッド航空(UA)とのJVで15億円の増収、ルフトハンザグループ3社とのJVで16億円の増収になったという。利用率は1.4ポイント減の73.9%だった。

 国内線旅客数は3.8%増の4266万人。旅客単価はLCCを含む他社との競合や、レジャー需要の増加により2.4%減少。旅客収入は1.4%増の6751億円となった。利用率は0.1ポイント減の62.0%。

 バニラエア(JW)の収入を含む「航空事業におけるその他の収入」は17.8%増の1791億円。エアアジアブランド時代を除く、13年12月20日から14年3月31日までのJWの輸送実績は、国際線旅客数が7万5000人で利用率が86.0%、国内線旅客数が11万9000人で利用率が70.6%だった。

 航空以外の事業では、旅行事業で売上高が7.7%増の1734億円、営業利益が1.1%減の44億円となった。海外旅行ではダイナミックパッケージ「旅作」や「ANAワンダーアース」が好調だったほか、ANAハローツアーで北米やハワイ商品を拡充したこともあり、売上高は前年を上回った。訪日旅行はビザ緩和などを受けて取り組みを強化したことで取扱高は過去最高を記録。国内旅行では東京ディズニーリゾートなどを目的とした関東方面への旅行が好調だったという。

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