日本旅行、上期はビジネス、プレエコ販売強化-クルーズも

  • 2014年3月11日

ビジネス、プレミアムエコノミー専用商品 執行役員海外旅行事業部長の西川隆祥氏  日本旅行は2014年の上期商品で、ビジネス、プレミアムエコノミークラスの販売を強化する。同社が重点顧客層とする「熟年・シニア層」への施策の一環としておこなうもの。さらに、クルーズ商品の販売も積極的に実施する方針だ。もう一つの重点顧客層である「女性層」についてもターゲットを拡大するなど取り組みを深めていく。

 同社執行役員海外旅行事業部長の西川隆祥氏によると、ビジネス、プレミアムエコノミークラスについては2013年に商品数を増加。利用確約の専用商品で、西日本発商品やアジア方面商品を初設定するなどの取り組みをおこなったことが奏功し、13年の専用商品の販売額は当初計画の88%増と増加した。西川氏は「熟年層やシニア層ではなく、ハネムーン層もターゲット」としながらも、ビジネス、プレミアムエコノミークラスを強化したことで「熟年、シニア層は数字としてしっかり伸びている」と振り返った。

 ただし、同社海外旅行事業部担当部長の永尾邦洋氏によると、昨年は「ビジネスクラスやプレミアムエコノミークラスは限りがあるので、間際のお客様を獲得できなかった」など課題もあったという。

 今年は早期予約割引を設けることで、需要の取りこぼしを防ぐ考え。上期商品では初めてビジネスクラスで早期予約割引を用意。例えば、「ビジネスクラス プレミアムエコノミーで行くヨーロッパ」では、95日前の予約完了で最大2万5000円割り引く特典を設けた。

海外旅行事業部担当部長の永尾邦洋氏 さらに、東日本と西日本の市場特性にあわせ、注力する方面を決定。永尾氏によると、アジア方面の場合東日本はビジネス需要が高く、特に成田はパッケージツアー用にビジネスクラスの座席が取りにくい。このため、東日本ではヨーロッパとアメリカを中心に据え、比較的余裕のあるハワイの販売を強化。一方、西日本ではヨーロッパとアジア方面をメインに販売していく方針だ。

 また、クルーズ商品の販売も積極的に展開。フライ&クルーズ商品を主に扱っていく。海外クルーズは商品数を1.4倍に増加。永尾氏によると、昨年もクルーズに力を入れていたが、添乗員付きのコースを希望するケースや、船内での日本語対応を不安に思う旅行者が多かった。今年は日本語コーディネーターが乗船する船の品揃えを増強。日本語コーディネーター乗船の場合は、2名催行のツアーも設定し、ツアーの催行率を高めていくとした。

 一方女性層に対しては、母娘旅行への取り組みを強めることで、女性層のターゲットの幅を広げていく。専用商品の設定はセグメントが狭まるため検討していないが、各旅行商品で母娘が喜ぶような特典、企画を設定したという。

 女性向けの商品ではF2層や母娘をターゲットにした「アジア★トラベラー」、「ヨーロッパ★トラベラー」を引き続き展開。さらに、人気ファッション誌「steady.」とコラボレーションした、F1層向けの「GIRLS★SKY」も設定した。このほか、女性が決定権を持つケースが多いハネムーンや海外挙式についても販売を強化していくという。