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現地レポート:南バハ・カリフォルニア、ラパスでアシカと遊ぶ

  • 2013年12月3日

潜在力高い南バハ・カリフォルニア
多様なアクティビティでセグメント拡大へ

無人島体験も可能
クルーズとの組み合わせも

無人島でのシンプルステイで大自然を満喫 ファン・バハでは無人島の「エスプリット・サント島」もひとつのアクティビティとして売り出している。3月から11月ごろ、管理局の許可を得て島にテントや簡易トイレなどを設置し、日帰りまたは宿泊できるプランを独自で販売。宿泊は別料金となるが、ヴァレンティーナ号で立ち寄ることができ、カヤックやスタンドアップパドルなど楽しめる。

 今回は宿泊を希望し、テントでの宿泊体験をしてみた。トイレは紙を流してはいけないエコトイレ(ヴァレンティーナ号も同様)、シャワーは海水とラパスから運んできた真水が別々のタンクに入っており、日中太陽熱で温められたもの。備え付けのエコシャンプーなどを使用し、環境汚染を防ぐ。ラジエーターは夜中には止めてしまうので、消灯後は真っ暗だが、月や星の明かりに照らされロマンチックな雰囲気が味わえる。ビールやソフトドリンクが料金に含まれているので、星空の下でさざ波の調べを聴きながらのんびりと一杯やるのもいい。

 朝は早く起きてカヌーや島内散策などのアクティビティを各自で楽しみ、船から迎えに来てもらい、ダイビングやシュノーケルに出かける。近年ではヴァレンティーナ号と無人島ステイを組み合わせる旅行者は少ないというが、ダイバーでない人にはアクティビティのバラエティが広がるのでおすすめだ。直接ラパスの街から無人島ツアーを目的にボートで訪れることも可能で、1泊2日、2泊3日の商品がある。食事や飲み物のほか、釣りやトレッキングツアー、シーカヤックレッスンなどが含まれているので、子連れや学生などにもよさそうだ。


リピーターも多いラパス
バラエティに飛んだ素材で客層拡大へ

日本語が話せるスタッフがいるのも魅力。右から3番目が森本氏 ファン・バハの森本氏によると、同店を利用するお客の約半数はリピーター。また、ダイビングトリップ自体が比較的年齢層があがっているのに対し、ラパスは弱年齢化が進んでいるともいう。費用対効果に敏感な若い層にとって、アシカとのふれあい率が100%で、ナイト・モブラやジンベイシュノーケルなど他所では見られないユニークなアクティビティも遭遇率が高いというところがポイントになっているという。

 現在ラパスから日本への帰国便に乗るには木曜日と土曜日しかないが、メキシコ・シティでの乗り換え時間がかなり長くなるため、ラパスまでデイリーで運航している ロス・カボス経由を利用するルートも健在だ。ラパス/ロス・カボス間は高速道路を約3時間という距離だが、途中に米国の有名なロックバンド「イーグルス」の代表作のひとつ、「ホテル・カリフォルニア」が生まれたことで知られる町トドス・サントスがあり、トイレ休憩がてら立ち寄るのが定番のコース。トドス・サントスはラパスから半日ツアーが出るほどの人気なので、帰国のついでに立ち寄ることができるのはお得感があっていい。

 なお、帰国のAMのメキシコ・シティ/成田線では給油のためティフアナに立ち寄り、給油の間は外に出ることができない。日本語の通訳がいるため日本語の案内はあるが、FITの場合は事前に知らせておくとよいだろう。

 ダイビングデスティネーションとされているラパスだが、コルテス海の魅力を満喫するのにライセンスが必ずしも必要というわけではない。実際のところ、アシカ、ジンベエザメ、そしてモブラはすべて船上からもしっかり見えるので、海に入らないで楽しみたいシニア層にもアピールできるだろう。海以外にも無人島の生活を体験するなど、さまざまなアクティビティが目白押しのラパス。幅広い客層に対応できる素材で「日本人だらけ」に返り咲くことができるのではないだろうか。

取材協力:アエロメヒコ航空(AM)、クラブアズール
取材:岩佐史絵