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現地レポート:南バハ・カリフォルニア、ラパスでアシカと遊ぶ

  • 2013年12月3日

潜在力高い南バハ・カリフォルニア
多様なアクティビティでセグメント拡大へ

アシカが近い!水中では向こうからこちらに近づいてくる ここ数年、メキシコ観光局がカンクンと並んでその魅力をアピールしてきたのが太平洋側のバハ・カリフォルニア。高級リゾートとして名高いロス・カボスや世界遺産のコルテス海に面したラパスなどさまざまな観光素材があり、幅広いセグメントにアピールすることが可能だ。今回は本格的なダイバーでなくても海中の世界を満喫できる、ラパスのダイビングクルーズを体験した。


かつての人気都市、今は“穴場”に
南バハ・カリフォルニアのラパス

カリフォルニアらしい気候と雰囲気が魅力のラパス。現在コンベンションセンターや米系大手ホテルが新施設を建設中 メキシコの旅行商品をみると、多くがチチェン-イッツァなどのマヤ文明の遺跡か、ハネムーナーなどに向けたカンクンのパッケージが目立つ。メキシコ・シティを拠点に空路での移動が盛り込まれたツアーが一般的であるが、その行先は大西洋側に向かうものが多く、バハ・カリフォルニアへのツアーは少ないのが現状だ。

 今回訪れたのは南バハ・カリフォルニア州に位置するラパス。日本人旅行者にはあまり知られていないように見えるが、ダイビングショップ「ファン・バハ」インストラクターの森本健吾氏 によると、以前の街は「日本人旅行者だらけだった」そうで、ホテルの階段や廊下などに日本語で書かれた案内板がある。しかし、2010年にメキシカーナ航空が破綻し、米西海岸側からロス・カボスへのアクセスがなくなると日本人の足は激減。現在はFITのコアなダイビングファンに限られている。


ダイバー以外でも楽しみ満載のクルーズ
アシカと遊ぶアクティビティも

ヴァレンティーナ号の乗客定員は20名、個室は10部屋で全室トイレ・シャワー付き ラパスへは、アエロメヒコ航空(AM)を利用し、メキシコ・シティ経由で向かった。同日乗り継ぎが可能で、3時間の乗り換え時間で夕方には現地に到着することが可能だ。

 今回は世界遺産のコルテス海の魅力を探るべく、3泊のダイビングクルーズに参加した。コスタ・バハリゾート内にあるファン・バハでチェックインを済ませ、同社所有のヴァレンティーナ号に乗り込む。ファン・バハはラパスで唯一日本人インストラクターを擁するダイビングショップで、地元のスタッフも流暢な日本語を話すため安心だ。日本を発ってその日の夜にはもうコルテス海に漕ぎ出していく。

食事も毎回楽しみなヴァレンティーナ号 翌朝、朝食の前にまずはスワニーリーフと呼ばれるポイントでのダイブ。現地到着日の翌朝、目覚めてすぐにさっそくアクティビティに参加できることが、着いてすぐに船に乗り込むことの利点だ。ただし、今回のツアーでは、日本からの長旅で疲れていたせいか気分が悪くなった人もいた。船に慣れていない人は街で1泊してから、とインターバルをおいてもいいかもしれない。

 ポイントでは、ダイビングライセンスのない人はシュノーケルが楽しめる。コロニーから離れぷかぷかと海面に浮きながら暮らしているというアシカの家族(?)を遠巻きに眺めつつ、海中に目を転じればそこには不気味なほどの大群をなして泳ぐアジで流れができていた。

アシカの赤ちゃんは人間に興味津々 船に戻り、次のポイントへ。ロス・イスロテスと呼ばれる海中にぽこんと飛び出した大岩付近でアンカーを降ろす音が聴こえ、それに交じってなにか奇妙な鳴き声が聴こえる……と思ったら、それは数百頭にもおよぶアシカたち。この場所がコロニーとなっており、ただ外から眺めるだけでもひとつのアクティビティになりそうだが、ここでもダイビングやシュノーケルが楽しめる。

 ラパスでのダイビングの目玉のひとつが、このポイントだ。年を通じて必ずアシカを間近で見ることができ、11月ごろからは上手に泳げるようになった赤ちゃんアシカが人間にじゃれて遊んでくれる。ここでは水深3メートルから5メートルほどの浅いところもあるので体験ダイビングも可能。インストラクターとともに洞穴の中ほどまで入っていくと、次々と赤ちゃんアシカが寄ってくるので触ってみることもできる。