JAL、ハワイ線サービス拡充-植木社長、HNLは「国際線の原点」

  • 2013年8月26日

JL代表取締役社長の植木義晴氏(中央)、俺の株式会社代表取締役社長の坂本孝氏(中央左)、フォーシーズ代表取締役社長の淺野幸子氏(中央右、クア・アイナの日本店舗運営) 日本航空(JL)は9月以降、日本発着のホノルル線についてプロダクトとサービスを刷新していく。機内食を充実するほか、ビジネスクラスにシェルフラットシートを導入。また、個人運賃と特典航空券の利用者にJALパックの「レインボー・トロリー」の無料乗車特典を付けるなどし、飛行機の内外で顧客満足度を向上する。

 8月26日に開催した発表会でJL代表取締役社長の植木義晴氏は、新規参入の航空会社を含めてハワイ線の座席供給量が増す中で、競争力を向上する必要があったと説明。加えて、「ハワイ線はJLにとって国際線の原点」と語り、日本の海外旅行市場にも関わりの深い重要な路線と強調。経営破綻後にサービス改善を進める上で、「長年の願望だった」という新機材の導入や欧米路線でのプロダクト刷新を優先したが、「ようやくホノルルに手をつけられた」という。

 プロダクトの刷新では、羽田と中部、関空発の全便と、成田発3便のうち1便について、ビジネスクラスにシェルフラットシートを搭載。残る成田発2便も将来的に新シートに置き換えていく。

 サービス面では9月1日から、機内食で今年1月に開始した新コンセプト「空の上のレストラン」を導入。これは、ファーストとビジネスは「スカイオーベルジュ BEDD」、プレミアムエコノミーとエコノミーは「JALキッチンギャラリー」と2軒の「レストラン」をイメージしたもので、著名シェフや有名店とのコラボレーションメニューを設定する。

 ホノルル線では、成田、中部、関空発のビジネスクラスについて、シェフの山田チカラさんが和食と洋食のメニューを考案。エコノミークラスでは、一流シェフが高級食材を使用して手がけるメニューを立ち飲みスタイルで安価に提供して人気を得ている「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」とコラボレーションした。

 羽田発便では、深夜の出発であることから消灯時間を長く取るために9月1日から離陸直後の機内食を取りやめ、その代わりに着陸前の朝食を充実。ビジネスクラスにはシチリア産ブラッドオレンジジュースから始まる「爽朝食」を用意し、エコノミークラスではハワイや日本で店舗展開するハンバーガー店「クア・アイナ」が監修したサンドイッチを提供する。

 このほか新サービスとして、個人運賃と特典航空券に対してJALパックの「レインボー・トロリー」でアラモアナルートの無料乗車特典を付与。「JALOALOカードプログラム」の特典に追加する形で、すでに8月末に受け付けを開始している。

 また10月1日には、ホノルル到着前の化粧直しなどに利用可能な女性専用のパウダースペースを機内に設置。エコノミークラス最後方の4席をカーテンで囲い、授乳スペースとしても利用できるようにする。また、成田発3便のうち、19時台に成田を出発するJL786便と、13時台に成田に到着するJL785便は運航スケジュールの子どもへの負担が少ないことから、未就学の旅客の利用増をねらい絵本や玩具を搭載する。

 なお、10月1日から日本発便、ホノルル発便それぞれについて、搭乗時と降機時にオリジナルの曲をかけるようにする。これまでは他のビジネス路線と同じ音楽を使用していたが、ジェイク・シマブクロさんに作曲と演奏を依頼したという。