オーストリア、宿泊数増加めざす-地方のロングステイ商品好調

  • 2012年9月11日

オーストリア政府観光局CEOのペトラ・シュトルバ氏  オーストリア政府観光局は、日本人平均宿泊数を現在の2泊から2.4泊へ増やしたい考えだ。9月10日に開催した記者会見で、同局CEOのペトラ・シュトルバ氏は「日本はアジア市場の中で最も大きな市場」と日本の重要性を述べ、「平均宿泊数を増やし、オーストリアの『休暇の国』(というイメージ)を更に知ってもらいたい」と意気込みを述べた。

(左から)ウィーン市観光局マーケット・プレス・マネージメント部長のグドルン・エングル氏、ザルツブルク市観光局マーケティング・ディレクターのヘルベルト・ブルッガー氏、オーストリア政府観光局CEOのペトラ・シュトルバ氏、同局日本地区局長のノルベルト・レルヒ氏、グラーツ市観光局ヘッド・オブ・マーケティング&セールスのスザンネ・ヘラー氏、インスブルック市観光局インターナショナルマーケティングマネージャーのニコラス・ベクドゥルッカー氏、オーストリア政府観光局キーアカウントマネージャーのモラス彩子氏  オーストリア政府観光局によると、2011年の日本人訪問者数は7.0%増の22万8000人、延べ宿泊数は6.2%増の43万7949泊。2012年1月から7月の訪問者数は24.6%増の14万2200人、宿泊数は22.3%増の26万6200泊。円高効果もあり、好調に推移しているという。

 ペトラ氏は今後について、ロングステイを平均宿泊数の増加につながる1つの方策としてあげた。インスブルックでは2011年から夏限定で日本人向けにロングステイプログラムを実施しており、旅慣れた日本人旅行者に好評だ。インスブルックの日本人宿泊数は2011年の7月、8月の2ヶ月で1万泊増加し、11年の宿泊数も前年比60%増になったという。

 インスブルックではプログラムのためにレストランに日本語メニューを設置し、スーパーに日本語での表示を用意したりと対策を実施しており、今後も取り組みを続けていく計画だ。9月1日付でオーストリア政府観光局日本地区局長兼在日ウィーン在日代表部代表のノルベルト・レルヒ氏も「インスブルック以外でも同様の取り組みができれば」と考えを示し、「震災の影響で日本国内で長期滞在型の旅が浸透してきたのでは。日本人の旅の仕方に変化が現れているのでは」との考えを示し、宿泊日数の増加に意欲を示した。

同日、ドイツ観光局と共催でワークショップも開催した  なお、セミナーではウィーン市観光局が2013年のテーマを発表。「喜びの芸術」をテーマに、カフェやレストランなどの食の魅力を打ち出していく考えを示した。また、今年12月にウィーン少年合唱団の演奏会ホール「アウガルテン音楽センター」が開業する他、13年は美術史博物館内に美術工芸館がリニューアルオープンし、春にはリヒテンシュタイン・シティパレスが開業するなど、芸術や文化施設のオープンもアピールした。