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KNT、クラツーを子会社化、13年から-持株会社新設し新体制、分社化も

  • 2012年8月11日

▽会員制度のノウハウ共有、新規顧客獲得へ-地域活性化事業強化も

KNT代表取締役社長の吉川勝久氏 吉川氏は個人旅行事業で想定されるシナジー効果として、7月からKNTが開始した新会員制度「KNTメンバーズクラブ」をあげた。クラブツーリズムが蓄積しているデータ分析力などのマーケティングのノウハウを活用し、ニーズにあった商品の紹介などにより、リピーターの増加をはかる。

 また、クラブツーリズムも、KNTのブランドや店舗を活用し、新規顧客の獲得をはかる。クラブツーリズムはシニア層の顧客が主だが、岡本氏は「中長期的に見ると高齢化が進む。(30代から40代の)『Nextシニア層』のお客様の拡大が必要になってくる」とし、KNTとのシナジー効果でFIT層を取り込めるのではと期待を示した。

クラブツーリズム代表取締役社長の岡本邦夫氏 また、KNT店舗を活用し、商品の販売や説明会も実施する計画だ。岡本氏は「お客様にはネットとは違い、詳しいことを社員と聞きたいというニーズがあり、それはKNT店舗の優位性だ」と述べた。社員のコンサルティング力を強化し、店舗の専門力を高めていく。ただし、店舗数を積極的に増やすのではなく「店舗が自立経営できるよう統廃合を考えていく」(吉川氏)方針だ。ウェブ販売については、現在は全体の売上高の10%程度を占めるが、将来的には全体の20%から30%台と拡大したい考えだ。

 一方、団体事業ではクラブツーリズムが専属で実施している独自イベントの活用をはかる。岡本氏は、団体営業がクラブツーリズム独自のイベントを企画に盛り込み、顧客に提案することで「他社との見積もり競争に陥らない企画をとり、売り上げを伸ばすことができる」と述べた。

 加えて、地域活性化事業の強化もはかる。KNTの幅広い営業力と、クラブツーリズムの企画力を生かしたSIT向け商品を結びつけ、ビジネスチャンスの拡大をめざしていく。また、KNTの海外現地法人とクラブツーリズムの連携でインバウンドの拡大もめざす。

 そのほか、経営戦略機能の強化として、営業支援部門の業務の標準化、共有化によるコスト削減や、事業や人員の「選択と集中」、ITなどの設備計画の最適化、人材交流をあげた。