ベルリン、東京からの直行便就航働きかけ-新空港に期待

  • 2012年7月1日

(左から)ベルリン観光局局長のブルクハルト・キーカー氏、プレスオフィサーのズザンヌ・シュライバー氏、ドイツ観光局ディレクター・マーケティングの西山晃氏  ベルリン観光局は新国際空港建設に際し、日本からの直行便就航実現に向けて航空会社へ働きかけている。このほど来日したベルリン観光局局長のブルクハルト・キーカー氏は、6月27日に開催した旅行業界向けセミナーで「2つの大国の首都同士を結ぶ直行便が無いことは驚くべきこと」と述べ、成田からの直行便就航に意欲を示した。ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)などにも働きかけているが、現在は「日本航空(JL)に焦点をあて、ベルリンへの直行便就航と話し合っている」という。

 新国際空港のベルリン・ブランデンブルク国際空港は、ワンワールドのエアベルリン(AB)がハブ空港として利用する予定だ。こうした状況から、直行便就航はABと同アライアンスのJLであれば実現する可能性が高いとの考え。今回の来日で日本航空(JL)を訪問し直行便実現の要望を伝えた。

 ベルリン観光局プレスオフィサーのズザンヌ・シュライバー氏によると、JL側も直行便についてのリサーチを進めているとし「真摯に話を聞いてもらえた」という。また、ドイツ観光局ディレクター・マーケティングの西山晃氏も、JLがブルームバーグ社のインタビューのなかで「ボーイングB787型機の就航先の候補地の1つとしてベルリンを上げている」とし、B787型機での就航に期待を示した。

 新空港は当初は6月3日に完成予定だったが、防火対策の遅れにより延期。2013年3月17日に開港する予定だ。愛称は、ノーベル平和賞を受賞した西ドイツ首相に因み「ヴィリー・ブラント」。初期の年間利用者数は2700万人を期待する。新空港開設に際しては、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)が座席供給量を40%増やす計画を立てており、延期後も変更せず、テーゲル空港を活用して対応している。

 2011年のベルリンへの日本人渡航者数は前年比3.3%増の5万2105人、宿泊数は1.5%増の11万998泊。アジアで第3位のシェアを占めており、消費額も多いことからシュライバー氏は「力を入れていきたい市場」と述べた。2012年1月から4月は渡航者数が35.9%増の1万6107人、宿泊数が26.9%増の3万3254泊と好調で、シェアも2位に上昇したという。

 なお、セミナーではこのほか、ドイツ観光局が2013年のイヤーテーマを紹介。「ユーストラベル」として、近年増加傾向にある修学旅行や学生のゼミ旅行、卒業旅行などをターゲットにしていく考え。また、13年がワーグナー生誕200周年、グリム童話誕生200周年であり、ハンブルクで国際庭園博が開催されるとアピール。モデルコースとして、ワーグナーをテーマにミュンヘンからニュルンベルク、バイロイト、生誕地のライプチヒからベルリンなど巡るコースや、ハンブルクの国際庭園博やベルリンを組み合わせたコース、ベルリン近郊のシュヴェリン城とSLのモリー号を組み合わせたコースを提案した。