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HIS、上半期は営業利益5割増で過去最高、売上高も

  • 2012年6月10日

 エイチ・アイ・エス(HIS)の2012年10月期第2四半期(2011年11月1日~2012年4月30日)の連結業績で、売上高(※総額)は過去最高の前年比14.4%増の2012億8900万円となった。円高基調を背景とした海外旅行者数の増加や、昨年の東日本大震災の影響で落ち込んだ旅行需要の反動もあり、旅行市場全体の回復傾向が追い風となった。

 営業利益は、生産効率の向上や経費削減で販管費を前年の4.1%増に抑えたことで、47.6%増の50億3900万円と大幅に増加。経常利益も受取利息などの営業外収益の増加で48.2%増の64億3800万円となり、営業利益とともに過去最高益となった。純利益は、前期に投資有価証券売却益31億8100万円を特別利益として計上した反動で、9.5%減の41億3800万円となった。

 旅行事業では、売上高が14.0%増の1927億2700万円、営業利益が28.2%増の50億800万円と増収増益。海外での旅行事業では海外118拠点網を活かし、ホテルやオプショナルツアーなどをインターネット経由で直販する「HIS VACATION事業」を強化するとともに、日本人以外に海外現地発の旅行商品を販売するなど海外支店間の販売促進をはかり、日本を介さない展開を推進。今後も海外展開を強化していく考えだ。

 一方、海外旅行では2月から5月まで、ジェットアジア・エアウェイズ(JF)のバンコクチャーターを実施し独占販売をおこなった。また、パッケージツアーの取消料規定の緩和や、ウェブサイトの刷新やスマートフォンサイトの構築などIT経由の予約の利便性向上をはかった。国内旅行では国内旅行とインバウンドの強化を目的に全日空(NH)と提携し、3月からパッケージツアー「Ciao」で提携国内旅行商品を販売するなど取り組みを実施した。

 ハウステンボスを運営するテーマパーク事業は、消費機会の拡大で顧客単価が改善したことにより、売上高は28.1%増の74億4500万円、営業利益は381.3%増の11億9800万円と好調だった。入場者数は0.4%増の87万5300人と微増だったが、平林氏は「訪日が33.6%減の6万3100人だが、ここが本来の伸びしろ」とし、訪日以外の需要が見込みよりも多いことから「想像以上に順調」だという。また、HTBクルーズのオーシャンローズ号が2月末に長崎/上海間に初就航しており、平林氏はHISグループ内でのシナジー効果に期待を示した。

 このほか、ホテル事業は売上高が10.9%増の13億4500万円となったが、営業損益は3300万円の赤字となった。