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大幅なキャンセルなし、安全の再徹底へ気運高まる-座礁事故後クルーズ販売

  • 2012年2月28日

安全性を十分留意した体制、独自の改善策も

クルーズ・バケーション営業本部長・児島得正氏 コスタ・コンコルディアの座礁事故を契機に、船会社や日本地区総販売代理店(GSA)の安全面についての意識はどのように変わったか。

 まずは「クイーン・メリー2」などを運航するキュナード・ラインや「グランド・プリンセス」を運航するプリンセス・クルーズの、日本地区総販売代理店(GSA)を務めるクルーズ・バケーションに聞いてみた。「事故後、ボートドリル(避難訓練)をいつ行なっているのか、どういう内容かなど、安全性についての問い合わせは増えている」と語るのは、同社営業本部長の児島得正氏。SOLAS条約(海上における人命の安全のための国際条約)では、ボートドリルは出航後24時間以内の実施を義務付けているが、その実施内容は客船会社によって異なる。

 同社の場合、すでに何年も前から、すべての乗客に対して乗船前に配布する乗船案内の冊子の中で、ボートドリルについて触れている。例えばプリンセス・クルーズの乗船案内では、「航海中の安全に関するご案内とご注意」と題し、ボートドリルの概要と客室内に置いてあるSAFETY INFORMATIONの和訳、さらにはボートドリル時の船内放送の概訳を掲載している。そして船上では、日本人コーディネーターが乗船している場合は、日本語で安全確認や注意点を伝えているという。

 ただし、事故で高まった安全気運に応えるため、同社では安全確認を改訂する。日本人コーディネーターが乗船している場合には、船が行なう公式のボートドリルとは別に、日本人乗客だけを対象にしたボートドリルを日本語で行なう予定だ。日本語で説明しておくと乗客も安心できるし、繰り返すことでしっかりと記憶に残るからだ。また、安全のしおりも改訂版を作成する予定だ。

スタークルーズ日本オフィス代表・荒木辰道氏 また、スタークルーズは船会社が直接日本にオフィスを設けている。スタークルーズの場合、乗客に配布する資料と客室内のテレビに映し出すボートドリルの説明映像によって注意を伝える。乗組員向けの避難訓練も毎航海の出航前に行なっており、新人でも避難経路や避難に必要な知識をしっかりと持ち合わせているという。

 スタークルーズ日本オフィス代表の荒木辰道氏によると、「基本的にはSOLAS条約に基づいて必要な安全管理を行なっている。すでに運航を開始してから19年が経つが、この間、スタークルーズの船上での死亡事故は1件も発生していない」と、安全性を強調。それでも事故後には本社から世界のオフィスに向け、今一度安全確認の徹底をはかるようにとの通知が出し、さらなる意識向上を促している。