佐川アドバンス、介護旅行で四国の穴吹トラベルと提携-利用者の負担軽減へ
昨年10月に介護旅行事業を立ち上げた佐川アドバンスはこのほど、四国の穴吹トラベルと業務提携し、2011年10月1日からサービスを拡充する。自社支店のない四国で同様のサービスを展開している穴吹トラベルと提携することで、顧客が東京/四国間を往復する場合などに、双方のトラベルヘルパーが現地で出迎えアテンドできるため、顧客への費用負担が軽減できるメリットがある。佐川アドバンスでは、事業開始当初から同サービスの全国展開を予定しており、自社の支店網だけでなく、今回のように旅行会社や自治体などと提携することで全国規模でのサービス提供をめざす。
佐川アドバンスによると、トラベルヘルパーによる介護旅行は一般的な旅行よりも高額になるが、発着地でそれぞれトラベルヘルパーをアテンドできることで往復の交通費などが発生せず費用を抑えられるという。これにより、気軽に介護旅行ができるようになり、トラベルヘルパーの活躍の場が増えることから、介護旅行の対応可能範囲が広がるという。
また、同じく10月1日には大阪支店でも介護旅行(外出支援)サービスの取り扱いを開始する。2012年度以降には福岡、名古屋と順次拡大していく予定で、グループの佐川急便と連携して旅行鞄を予めホテルに配送する手ぶら旅行などの付帯サービスも提供する。現在、佐川アドバンスでは5名の社員がトラベルヘルパーの資格を取得しており、今年度は3名、来年度は4名が取得する計画だ。
▽介護旅行はプロモーションに工夫が必要
佐川アドバンスによると、介護旅行は直接的なプロモーションが難しく、継続して告知することで認知をはかる必要があるという。例えば、要介護者のリハビリや質の高い生活を支援するウェブサイト「介護レク広場」で3ヶ月間継続して告知したところ、要介護者のいる家族などから問い合わせがあり、少しずつ申し込みが増えてきたという。今後も、介護レク広場が提供するリハビリ用の塗り絵などに告知文書を掲載するなどして広くプロモーションする予定だ。
旅行サービス立ち上げから1年間で取り扱った介護旅行は約50件。震災の影響などにより当初の見通しよりは少ないものの、2割から3割程度がリピーターになっているとして、顧客満足度の高さに自信を示す。佐川アドバンスでは、介護旅行を旅行事業の柱と位置づけており、これまで旅行や外出を諦めていた高齢者に対し、満足度の高い介護旅行を提供することで、介護旅行の可能性を広げ、さらに認知度を高めていきたい考えだ。