トップインタビュー:AZアジア太平洋統括副社長のジャンルカ・テスタ氏

座席供給量の増加に意欲、ビジネス需要への取り組みも

-日本市場で特に力を入れていきたい点はありますか

テスタ 我々の乗客の9割を占めているレジャー需要だけでなく、ビジネス需要の拡大にも力を入れていきたい。ビジネス需要は現時点で我々にとって大きくはないが、とても重要だと考えている。

 ビジネス需要では、同じスカイチームであるAF/KLと協力してセールス活動を展開している。AF/KLとはネットワークや運賃などで連携しており、昨年4月からはビジネス需要に対し、AZとAF/KLで協働し、合同でコーポレートカードも展開している。AF/KLとのパートナーシップによって、例えばAFで成田からパリに行き、AZでローマから成田に戻ることも可能だ。

 日本の法人、企業にはAZのプロダクトやサービスについて、まだよく知られていない。そこで、すでにAZを利用している法人、企業など既存顧客とコンタクトを取り、ニュースやプロダクト、サービスについての情報を提供している。また、新規の法人、企業の取り込みをはかり、取引のない企業についてもプロダクトや特別料金などをお伝えするなどコンタクト先を増やしており、取扱拡大につなげていきたい。


-日本の旅行会社との関係について、どうお考えですか

テスタ 確かに日本は他のアジア諸国と比べ特殊だが、いい意味で特殊なマーケットだといえる。旅行会社との関係は深く、我々の売上の9割以上が旅行会社経由。我々がこの数年間で築いてきた旅行会社との強固なパートナーシップが現状の好調さにつながっている。AF/KLとともに、今後も旅行会社とのパートナーシップを強化していきたい。


-羽田の再国際化、成田の発着枠拡大などで日本の空は大きく変化していきますが、今後の路線展開についてお答えください

テスタ 羽田のスロットが拡大したとしても、成田を重視することは変わらない。もちろん今後、スロットや発着時間の規制緩和など進展が見られれば、羽田への就航の可能性は検討したい。しかし、そもそも発着枠の問題や良い時間帯の確保を考えると、AZが現在成田から運航しているすべての便を羽田に移すことは困難だろう。これは他の航空会社も同様であるはずで、成田のすべての国際線が羽田から運航できるとは思えない。AZにとっては成田がメインの空港であり、それとは別に羽田への就航もオープンに検討していく考えだ。

 なお、アジア全体では新路線を検討中だ。ネットワークがある日本、中国に加え、韓国やオーストラリア、将来的にはインドや台湾、シンガポールなどの東南アジア地域に路線を拡大していきたいと考えている。


ありがとうございました