トップインタビュー:AZアジア太平洋統括副社長のジャンルカ・テスタ氏

座席供給量の増加に意欲、ビジネス需要への取り組みも

-今後の見通しについてお聞かせください

テスタ 他の航空会社のように、座席供給量を減らすつもりはない。アジアには今年路線を開設した中国など、潜在需要が高く活発な市場もあるが、日本市場はこれまでも、そして現在も間違いなくアジアにおける第一の市場だ。

 今年の冬スケジュールでも、AZにとって過去最高の実績だった昨年の冬と同レベルの座席供給量を維持していく計画だ。昨年のよい実績を確固たるものにして、日本市場で成長し続けていきたい。

 また、将来的にはさらなる拡大も視野に入れている。今すぐは無理かもしれないが、これからの冬スケジュールの結果次第で、来夏には大きな拡大でなかったとしても、少しずつでも何かできるのではないかと考えている。


-昨年日本航空(JL)がイタリア線から撤退しましたが、他社との競争についてお考えをお聞かせください

テスタ JLの撤退は我々にとって追い風にもなるが、危惧するべきことでもある。JLが撤退して我々が日本/イタリアを繋ぐ唯一の航空会社となり、需要の多くを取り込めている。しかし、寡占状態になることで、AZが乗客のニーズを理解できなくなり、他社が再びイタリア線に参入してきた時に、AZが選ばれなくなるのでは意味が無い。

 我々の目指すゴールは、他の選択肢がないからAZを選ぶのではなく、乗客に納得してAZを選んでもらうこと。そのために戦略として、レジャー、ビジネスなどセグメントごとに競争力をつけることが重要であり、プロダクトやサービスの改善を実施している。

 プロダクトについては、2012年1月から7月にかけて、日本路線で利用しているボーイングB777型機のシートを刷新する。ビジネスクラスにはフルフラットシートを導入し、新しいプレミアムエコノミーシートも新設する。ビジネスクラスは42席から30席に数を減らすことになるが、プレミアムエコノミーは25席増える。また、エコノミークラスも新しいシートや新しいオンデマンドのエンターテイメントを導入していく。