岩手県北自動車、浄土ヶ浜遊覧船の運航を再開、復興祈念周遊観光バスも運行

  • 2011年7月6日

 岩手県北自動車は海の日を含む3連休初日の7月16日から、陸中海岸国立公園内の浄土ヶ浜遊覧船の運航を再開する。同観光船は東日本大震災により、3隻の所有船舶のうち2隻が被災し、浄土ヶ浜園内の車道や遊歩道なども被害を受けたことから運休していた。しかし、残りの1隻が無傷であり、発着する岸壁設備も被害が小さく使用できる上、航路も試運行で安全を確認。園内の復旧も宮古市による方向性が見えた。遊覧船からは崩壊した防波堤や道路が目に入るというが、地震と津波を経てもその姿をとどめた自然景観を見てほしいとの思いで、運航再開の決定に至った。

 浄土ヶ浜遊覧船は、天然記念物であるローソク岩や日出島、潮吹き穴や改善線の自然美を楽しむ約40分のクルーズで、年間10万人の観光客が訪れる。さらに、ウミネコが遊覧船と一緒に飛ぶ姿や、学術的にも貴重な地層群(宮古層)も見ることができるという。

 遊覧船の運航再開にあわせ、同社では2つの周遊型観光バスの運行を開始する。世界遺産に登録された平泉と民話の里・遠野を周遊する「平泉の文化遺産と遠野物語号」は、7月1日から11月13日の金、土、日曜日と、7月15日から8月31日の毎日運行し、旅行代金は大人が5500円、子どもが5000円。一方、陸中海岸国立公園を周遊する「浄土ヶ浜/龍泉洞・陸中海岸うみねこ復興祈念号」は、震災により運行を中止していた「浄土ヶ浜/龍泉洞・陸中海岸うみねこ号」を再開するもので、7月16日から9月1日の毎日と、9月3日から11月14日の土、日、月曜日に運行。旅行代金は大人が7500円、子どもが6500円。同社では2つのバスを組み込んだ観光のモデルコースも提案している。