日本航空、11年度チャーターは250便規模、「日本らしさ」打ち出す工夫も

  • 2011年4月11日
 日本航空(JL)は2011年度、2010年度並みの往復250便規模のチャーター便運航をめざす。JLは経営再建を進める中で、チャーターで利用することの多かったボーイングB747型機を退役するなど機材数を削減しているが、旅行会社からの需要が強いこともあり、ボーイングB777型機を投入するなどし、前年並みの規模を維持する考えだ。

 方面別では、ホノルルやコナ、パラオ、アラスカ、カナダのほか、クロアチア、ブダペスト、ハンガリー、ジュネーブ、デンパサール、グアムなどを計画。昨年と異なり新しい設定都市はないものの、地点撤退したコナやデンパサールにも運航する。

 JL本店国際旅客販売推進部国際業務部グループアシスタントマネジャーの宮城孝浩氏は、今年の戦略として「同じ方面でも工夫をしていきたい」と説明。例えば、1995年から継続して取り組んでいるパラオへのチャーターでは、昼間の便を設定。これまでは、機材の有効活用のため日本発が20時台で現地着が01時台、現地発が03時台で日本着が07時台といったスケジュールであったが、今年は日本発09時30分で到着14時、現地発16時30分で到着21時のスケジュールも用意している。

 また、地方発着のチャーターについて、その地方出身の運航乗務員が乗務する取り組みも実施。すでに2月中旬から開始しており、評判は高いという。宮城氏は、オフラインを含めて外国航空会社が日本発着チャーターに食指を伸ばす中で、「JLは日本らしさと(定時発着率など)信頼性が強み」とし、特に「日本らしさ」について「常に考えていきたい」と強調した。このほか、ファミリージェットの設定も継続する。

 このほか、B777型機は欧州とカナダに投入。これにより、プレミアムエコノミーが利用可能になることから、「プレミア客を取り込んでいきたい」と言及。2010年度は欧州の一部路線で使用していたが、「この数年の傾向として、長距離路線は前の方の座席から埋まっていく」といい、需要も高いとした。


※訂正案内(2011年4月11日14時05分 編集部)
訂正箇所:第2パラグラフ

誤:コナやデンパサールはチャーターとしては初の運航。
 ↓
正:地点撤退したコナやデンパサールにも運航する。


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