アクセスランキング、1位はクオニイのGTA買収−「備え」と「体験」カギに

  • 2011年3月12日
[総評] 今週のアクセスランキング1位は、クオニイトラベルによるガリバーズ・トラベル・アソシエイツ(GTA)の買収についての記事でした。オペレーターとして大きな規模を持ち日本でもよく知られる2社のニュースであり、個人的にも非常に驚きました――が、昨日の地震に勝るものではありません。読者の皆様の中にも東北や関東で働かれている方も多いのではないかと思いますが、まずはご無事をお祈りいたします。

 幸いにも私は帰宅することができ、家族にも怪我などはなく済みましたが、昨日を振り返ってみて「備えあれば憂いなし」とはよくいったものだと感じます。大地震がいつかは起きると頭で分かっていても、対策はなかなかとりにくいもので、恥ずかしながら私も一切の準備や心構えをできていませんでした。

 家族とどう連絡をとるか、電気やガスなどのライフラインが止まった場合にどう対処するか、こういった基礎的な対策すらできておらず、実際に起きてみると、安否を確認しようにも電話が通じないだけで打つ手がなくなってしまい、自らの無力さを痛感しました。

 また、体験しなければわからないことがあるということも身を持って理解しました。阪神淡路大震災や中国の四川大地震の際には、わけあって被災後の状況も目にしましたし、テレビなどの報道でも世界各地の災害の惨状が伝えられていますが、昨日実際に体験した恐怖は、文字通り筆舌に尽くしがたいものでした。

 最初に強い地震が起きた際に私は外にいたのですが、目の前の大きなビルが左右に揺れ、林立する電柱が今にも倒れそうなほどの勢いで動きまわるのを見て、大げさではなくここで人生が終わるのではないかと感じました。先日はニュージーランドで地震が発生しましたが、被災された方々はさらに衝撃的な体験をされたのだろうと思います。

 このような時にこのような結論を導くのはいかがなものかとも思いますが、リスクへの備えや「体験」は旅行業にも通ずるものがありそうです。きちんと対策をとっておくことでお客様に安心と安全を提供し、体験した人だからこそ提案可能な旅行を生み出すことは、実効性の高い戦略といえるのではないでしょうか。

 この文章をお読みの皆様の中には、オフィスで夜を明かされた方もいらっしゃるかと思います。どうぞお体にお気をつけいただき、無事にご帰宅されることを願っております。

 なお、すでにトラベルビジョンのウェブサイト上でキャセイパシフィック航空(CX)と日本旅行の地震関連情報を掲出していますが、その他でも可能なかぎり素早い情報発信に努めたいと考えております。「我社はこうしている」といった情報をお持ちでしたら、土日でもぜひ編集部にご連絡いただけるようお願いいたします。(メールアドレス:editor@travelvision.co.jp )(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年3月第2週:3月7日2時〜3月11日18時)
第1位
クオニイ、ガリバーズ・トラベルを買収へ−オンラインなど補完性評価(11/03/08)

第2位
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第3位
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第4位
日本航空、国際線の手荷物規定を変更、個数制に統一(11/03/07)

第5位
メリディアーナ・フライ航空、夏のチャーター運航が決定、成田発着10本(11/03/08)

第6位
茨城空港、11日で開港1年−2年目は利用実績向上で新規就航・増便促進へ(11/03/10)

第7位
2月の旅行業倒産件数は3件、負債総額は2.8億円に(11/03/09)

第8位
韓国LCCのジンエアー、仁川/新千歳線で初の定期便就航−4月から週4便で(11/03/07)

第9位
取材ノート:LCCとの共存は可能か−JATA経営フォーラム(11/03/08)