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タイ、2011年は100万人復活めざす−シニア層、ビギナー層の拡大はかる

  • 2011年2月22日
 タイ国政府観光庁(TAT)はこのほど記者会見を開催し、2011年の日本市場での戦略を発表するとともに、タイの安全性をアピールした。来日したTAT総裁のスラポン・サウェートセラニー氏は、2010年の日本人訪問者数が100万人を4年ぶりに下回ったことに触れ、「今年は100万人に取り戻すことが最大の目標」と意欲を示した。

 TATによると、2010年の外国人訪問者数は12%増の1580万人で、国別で1位のマレーシアは12%増、2位の中国は45%増と増加したが、日本人訪問者数は政情不安もあり2%減の98万5000人と減少した。TAT理事会会長のウイチャイ・シークワン氏は昨年12月に非常事態宣言が撤廃されたことに触れ「情勢は回復しており、観光産業も回復基調にある」とし、「観光客の皆様にも安心しておいでいただける」と安全をアピール。2011年1月の日本人訪問者数は2.2%増の10万4134人と増加していることから、「今後1年間この調子で右上がりを願う」と市場復活に期待を示した。

 100万人への回復策として、2011年はビギナー層やシニア層に対し、重点的に予算を投入するほか、バードウォッチングやサイクリングツアーなどで自然と触れ合うグリーンツーリズム、ゴルフ、ロングステイの魅力を訴えていく方針。サウェートセラニー氏によると、2009年の日本人訪問者のうち73%がリピーターであるが、「ビギナー、リピーターでバランスを取れた比率でプロモーションを展開する」ことで、日本市場の拡大をはかる。

 また、シニア層に対してはアクティブシニアに重点を置き、10日以上のロングバケーションやロングステイを訴える考え。医療機関、宿泊や娯楽施設、日本語を話す人材など受入れ環境が整備されているタイ北部のチェンマイなどをアピールしていく。

 なお、2010年の訪日タイ人は21%増の21万4000人と過去最高を記録した。シークワン氏は「タイにとって日本は重要なマーケット。ツーウェイツーリズムを促進していきたい」とし、日本への送客増に引き続き協力する姿勢を見せた。