アクセスランキング、1位は年頭所感−今年は「行動」あるのみ
[総評] 新年明けましておめでとうございます。昨年は、欧州での火山や一部地域での政情不安、鉄道やバスの事故などネガティブな要因もあったものの、リーマンショックに端を発した旅行需要の落ち込みは一段落しました。日本人出国者数も通年では2006年以来となるプラス成長を達成する見込みですし、2011年も余程のことがなければ昨年並み、あるいはさらなる回復が期待できそうです。
ただ、期待できるとはいえ2006年の約1750万人にまで戻せるかは不透明です。そもそも、昨今の動向を見る限りでは“外部からの影響がなければ順調に市場が拡大し続ける”ような状況は今後望みにくいのではないかと感じられます。業界構造も様変わりしていますから、仮に以前の水準に回復したとしても旅行会社の業績が同様に戻る可能性は低いでしょう。また、需要規模が変わらず、直販やオンライン販売など旅行流通の多様化がこれまで通り進むとすれば、2011年も確実にパイの奪い合いの激しさが増すはずです。
今週1位になった年頭所感でも、各社社長が現況について厳しい見方を示しつつ、新しいビジネスモデルへの転換を訴えています。正直なところ“付加価値”や“質”といった言葉で語られる旅行業の改革論は、もはや手垢が付いて古ぼけてきた感もありますが、2011年はこれまで以上にはっきりと行動に移すことが求められるのではないかと思います。インターネットの技術ひとつ取ってみても日々進化を続けており、「これまで大丈夫だったのだから今年も」は命取りになりかねません。
運送業のように物質が動くわけではない旅行流通において、航空座席やホテルを利用する権利を右から左に流してお金を儲けられる会社は極めて少なくなっていくはずです。そのため、個人的にはコンピューターにできることはコンピューターで極力効率化し、自分にしか提供できない強み、例えば「このデスティネーションは絶対に負けない」、あるいは「このアクティビティはまかせろ」といった強みの確立がカギになると考えています。
強みは各々の事情に合わせて様々なものがあり得るでしょうし、正解も一つではないでしょう。とはいえ、回復基調に一息ついて2011年を漫然と過ごしてしまえば、次の危機を乗り越える体力が身につくことはないはずです。需要の回復は、跳躍への追い風として捉えたいものです。
トラベルビジョンでは昨年、旅行業界の「人」に焦点を当てて情報発信に努めましたが、2011年はこれに加えて「行動」、つまりこれからの時代を見据えて自らの道を定め、突き詰めようとする皆様のご努力をできる限り取り上げていきたいと考えています。
本年もトラベルビジョンをご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年1月第1週:1月6日2時〜1月7日18時)
第1位
◆年頭所感、「新たな一歩」への意気込み多く−大手各社トップ(11/01/06)
第2位
◆大韓航空、A380は407席、2階は全席ビジネスクラスに(11/01/06)
第3位
◆カナダBC州、バンクーバーマラソンのプロモーション開始、SNS「JOGNOTE」で(11/01/06)
第4位
◆日本航空、11月の営業利益は100億4400万円、11ヶ月連続の黒字(11/01/06)
第5位
◆OHEA、スターウッドの矢島氏が会長に−「柔軟さ」重視で活動見直しも(11/01/06)
第6位
◆日系航空2社、年末年始の国際旅客数は21%減−JLは利用率8割、NHは人数増加(11/01/07)
第7位
◆HIS、業績予想を上方修正−スカイマーク株売却で(11/01/06)
第8位
◆トップツアー、人事異動と組織変更を実施−「スポーツ事業部」新設(11/01/07)
第9位
◆旅工房、アロハ7へ資本出資−ハワイ取扱い拡大めざし(11/01/06)
第10位
◆新春トップインタビュー:日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏(11/01/06)
ただ、期待できるとはいえ2006年の約1750万人にまで戻せるかは不透明です。そもそも、昨今の動向を見る限りでは“外部からの影響がなければ順調に市場が拡大し続ける”ような状況は今後望みにくいのではないかと感じられます。業界構造も様変わりしていますから、仮に以前の水準に回復したとしても旅行会社の業績が同様に戻る可能性は低いでしょう。また、需要規模が変わらず、直販やオンライン販売など旅行流通の多様化がこれまで通り進むとすれば、2011年も確実にパイの奪い合いの激しさが増すはずです。
今週1位になった年頭所感でも、各社社長が現況について厳しい見方を示しつつ、新しいビジネスモデルへの転換を訴えています。正直なところ“付加価値”や“質”といった言葉で語られる旅行業の改革論は、もはや手垢が付いて古ぼけてきた感もありますが、2011年はこれまで以上にはっきりと行動に移すことが求められるのではないかと思います。インターネットの技術ひとつ取ってみても日々進化を続けており、「これまで大丈夫だったのだから今年も」は命取りになりかねません。
運送業のように物質が動くわけではない旅行流通において、航空座席やホテルを利用する権利を右から左に流してお金を儲けられる会社は極めて少なくなっていくはずです。そのため、個人的にはコンピューターにできることはコンピューターで極力効率化し、自分にしか提供できない強み、例えば「このデスティネーションは絶対に負けない」、あるいは「このアクティビティはまかせろ」といった強みの確立がカギになると考えています。
強みは各々の事情に合わせて様々なものがあり得るでしょうし、正解も一つではないでしょう。とはいえ、回復基調に一息ついて2011年を漫然と過ごしてしまえば、次の危機を乗り越える体力が身につくことはないはずです。需要の回復は、跳躍への追い風として捉えたいものです。
トラベルビジョンでは昨年、旅行業界の「人」に焦点を当てて情報発信に努めましたが、2011年はこれに加えて「行動」、つまりこれからの時代を見据えて自らの道を定め、突き詰めようとする皆様のご努力をできる限り取り上げていきたいと考えています。
本年もトラベルビジョンをご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年1月第1週:1月6日2時〜1月7日18時)
第1位
◆年頭所感、「新たな一歩」への意気込み多く−大手各社トップ(11/01/06)
第2位
◆大韓航空、A380は407席、2階は全席ビジネスクラスに(11/01/06)
第3位
◆カナダBC州、バンクーバーマラソンのプロモーション開始、SNS「JOGNOTE」で(11/01/06)
第4位
◆日本航空、11月の営業利益は100億4400万円、11ヶ月連続の黒字(11/01/06)
第5位
◆OHEA、スターウッドの矢島氏が会長に−「柔軟さ」重視で活動見直しも(11/01/06)
第6位
◆日系航空2社、年末年始の国際旅客数は21%減−JLは利用率8割、NHは人数増加(11/01/07)
第7位
◆HIS、業績予想を上方修正−スカイマーク株売却で(11/01/06)
第8位
◆トップツアー、人事異動と組織変更を実施−「スポーツ事業部」新設(11/01/07)
第9位
◆旅工房、アロハ7へ資本出資−ハワイ取扱い拡大めざし(11/01/06)
第10位
◆新春トップインタビュー:日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏(11/01/06)