DS模擬問題：チェコ編 温泉大国チェコでマイカップ片手に飲泉地巡り
問 神聖ローマ帝国皇帝カレル四世ゆかりの温泉地はどこか
A フランチシュコヴィ・ラーズニェ
B マリアーンスケー・ラーズニェ
C ヤーヒモフ
D カルロヴィ・ヴァリ
――正解は下記へ
ココに注目！
▽ベートーベンやゲーテも訪れた伝統の温泉地
温泉が楽しめるのは、もちろん日本だけではない。中央ヨーロッパにも温泉は多く、なかでもチェコには施設の整った温泉地が数多く存在し、温泉大国の名で呼ばれることも多い。その歴史は古く、15世紀初頭から自然の鉱泉や泥泉を利用した療養や治療がおこなわれ、18世紀後半からは鉱泉の分析も進んだ。ロシアのピョートル大帝やイギリスのエドワード７世、ゲーテ、ショパン、オーストリアの女帝マリア・テレジア、ベートーベン、ワグナーといった著名人も療養に訪れたとされている。
チェコの温泉の特徴のひとつは、鉱泉、ガス、泥などの天然医療資源であることだ。「天然医療泉」と呼ばれる温泉が国内37ヶ所にあり、高い医療水準と費用の安さから、近隣諸国から訪れる湯治客も多い。長期滞在が主流だが、1泊から2泊のショートステイももちろん可能。最近は、医療用施設に観光用施設が併設され、リゾート地としても人気となっており、天然資源を使った各種マッサージ、アーユルヴェーダなどのプログラムも用意されている。
また、チェコの温泉地は、ヨーロッパ王侯貴族が利用していた名残から、王宮のような温泉施設とプールのように広い温泉が備えられているのが一般的。王宮と見まがうような壮大な温泉施設が並ぶ様は、まさに圧巻だ。温泉地が繁栄を迎えた18世紀末から19世紀半ばの典型的な温泉建築が保存されているフランチシュコヴィ・ラーズニェは、都市景観保護地区となっている。
チェコでは、温泉は飲むものでもある。各温泉地には、飲泉のための「コロナーダ」と呼ばれる回廊が設けられていて、人々がマイカップを片手に飲泉施設を巡る光景が見られる。平たく、鉱泉が飲みやすいよう吸い口の役割を果たす取手がついた飲泉用カップは、石、ガラス、磁器などでできたさまざまなデザインのものが売られており、温泉地の土産物としても人気だ。飲んでおいしいものではないが、日本ではあまり一般的でない温泉の楽しみ方が提案できる。
▽チェコ最大の温泉保養地カルロヴィ・ヴァリ
温泉地方として有名なのは西ボヘミアである。カルロヴィ・ヴァリ、マリアーンスケー・ラーズニェ、フランチシュコヴィ・ラーズニェは、西ボヘミア三大温泉保養地と呼ばれ、なかでも最も人気なのが、チェコ最大規模を誇るこのカルロヴィ・ヴァリだ。12の源泉をもつこの温泉保養地は、神聖ローマ帝国皇帝カレル4世ゆかりの地として知られるが、これは、カレル4世が狩りをしている際に鉱泉を発見したという言い伝えのため。「カルロヴィ・ヴァリ」とは「カレルの温泉」の意味である。本格的な温泉シーズンの始まりを祝う5月には、カレル4世とその一行を模したカルロヴィ・ヴァリ創設者記念祝典パレードが行われる。
ちなみに、カルロヴィ・ヴァリは炭酸泉で、源泉はチェコで最も温度の高い73.4度。カルロヴィ・ヴァリに近いマリアーンスケー・ラーズニェでは、７度から10度の弱酸性の冷泉が湧き出しているのと対照的だ。カルロヴィ・ヴァリには、温泉以外にも、オンドジェイ教会、ペトル・パヴェル教会、オベツニー劇場、ムリーンスカー・コロナーダ、マリエ・マグダレナ教会などの見どころがあり、首都プラハから近いことから多くの観光客が訪れる。クルシュネー・ホリの山麓に広がる田園風景も美しく、散策に最適だ。
▽せんべいやリキュールも温泉地の楽しみ
チェコの温泉では、温泉せんべい、温泉リキュールといった温泉ならでは商品が販売されていて、チェコの名産品にもなっている。ハーブ・リキュールとして最も有名なのがカルロヴィ・ヴァリの「ベヘロフカ」で、リキュールのレシピは門外不出。その人気の高さから、「13番目のカルロヴィ・ヴァリの源泉」と言われることもある。ヘーゼルナッツ入りの薄くて丸い温泉せんべいも人気だ。起源はミサ用のワッフルとされ、その伝統は16世紀にさかのぼる。温泉地のコロナーダでは、焼き立てのせんべいが味わえるが、もちろんお土産用に購入することも可能だ。
チェコの温泉地は社交場の役割を果たしてきたことから、１年を通して音楽や演劇などの文化が楽しめるのも特徴である。マリアーンスケー・ラーズニェのショパン・フェスティバル、テプリツェ・フ・チェハーフのルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン音楽祭、ルハチョヴィツェのヤナーチェクとルハチョヴィツェ音楽祭などが有名。また、カルロヴィ・ヴァリでは、毎年7月初頭に「カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭」が華々しく開催されるほか、南ボヘミアの
トシェボンでは毎年5月にアニメフェスティバル「アニフェスト」が開催される。
正解：D
写真提供：チェコセンター観光部（チェコツーリズム）
A フランチシュコヴィ・ラーズニェB マリアーンスケー・ラーズニェ
C ヤーヒモフ
D カルロヴィ・ヴァリ
――正解は下記へ
ココに注目！
▽ベートーベンやゲーテも訪れた伝統の温泉地
温泉が楽しめるのは、もちろん日本だけではない。中央ヨーロッパにも温泉は多く、なかでもチェコには施設の整った温泉地が数多く存在し、温泉大国の名で呼ばれることも多い。その歴史は古く、15世紀初頭から自然の鉱泉や泥泉を利用した療養や治療がおこなわれ、18世紀後半からは鉱泉の分析も進んだ。ロシアのピョートル大帝やイギリスのエドワード７世、ゲーテ、ショパン、オーストリアの女帝マリア・テレジア、ベートーベン、ワグナーといった著名人も療養に訪れたとされている。チェコの温泉の特徴のひとつは、鉱泉、ガス、泥などの天然医療資源であることだ。「天然医療泉」と呼ばれる温泉が国内37ヶ所にあり、高い医療水準と費用の安さから、近隣諸国から訪れる湯治客も多い。長期滞在が主流だが、1泊から2泊のショートステイももちろん可能。最近は、医療用施設に観光用施設が併設され、リゾート地としても人気となっており、天然資源を使った各種マッサージ、アーユルヴェーダなどのプログラムも用意されている。
また、チェコの温泉地は、ヨーロッパ王侯貴族が利用していた名残から、王宮のような温泉施設とプールのように広い温泉が備えられているのが一般的。王宮と見まがうような壮大な温泉施設が並ぶ様は、まさに圧巻だ。温泉地が繁栄を迎えた18世紀末から19世紀半ばの典型的な温泉建築が保存されているフランチシュコヴィ・ラーズニェは、都市景観保護地区となっている。
チェコでは、温泉は飲むものでもある。各温泉地には、飲泉のための「コロナーダ」と呼ばれる回廊が設けられていて、人々がマイカップを片手に飲泉施設を巡る光景が見られる。平たく、鉱泉が飲みやすいよう吸い口の役割を果たす取手がついた飲泉用カップは、石、ガラス、磁器などでできたさまざまなデザインのものが売られており、温泉地の土産物としても人気だ。飲んでおいしいものではないが、日本ではあまり一般的でない温泉の楽しみ方が提案できる。
▽チェコ最大の温泉保養地カルロヴィ・ヴァリ
温泉地方として有名なのは西ボヘミアである。カルロヴィ・ヴァリ、マリアーンスケー・ラーズニェ、フランチシュコヴィ・ラーズニェは、西ボヘミア三大温泉保養地と呼ばれ、なかでも最も人気なのが、チェコ最大規模を誇るこのカルロヴィ・ヴァリだ。12の源泉をもつこの温泉保養地は、神聖ローマ帝国皇帝カレル4世ゆかりの地として知られるが、これは、カレル4世が狩りをしている際に鉱泉を発見したという言い伝えのため。「カルロヴィ・ヴァリ」とは「カレルの温泉」の意味である。本格的な温泉シーズンの始まりを祝う5月には、カレル4世とその一行を模したカルロヴィ・ヴァリ創設者記念祝典パレードが行われる。ちなみに、カルロヴィ・ヴァリは炭酸泉で、源泉はチェコで最も温度の高い73.4度。カルロヴィ・ヴァリに近いマリアーンスケー・ラーズニェでは、７度から10度の弱酸性の冷泉が湧き出しているのと対照的だ。カルロヴィ・ヴァリには、温泉以外にも、オンドジェイ教会、ペトル・パヴェル教会、オベツニー劇場、ムリーンスカー・コロナーダ、マリエ・マグダレナ教会などの見どころがあり、首都プラハから近いことから多くの観光客が訪れる。クルシュネー・ホリの山麓に広がる田園風景も美しく、散策に最適だ。
▽せんべいやリキュールも温泉地の楽しみ
チェコの温泉では、温泉せんべい、温泉リキュールといった温泉ならでは商品が販売されていて、チェコの名産品にもなっている。ハーブ・リキュールとして最も有名なのがカルロヴィ・ヴァリの「ベヘロフカ」で、リキュールのレシピは門外不出。その人気の高さから、「13番目のカルロヴィ・ヴァリの源泉」と言われることもある。ヘーゼルナッツ入りの薄くて丸い温泉せんべいも人気だ。起源はミサ用のワッフルとされ、その伝統は16世紀にさかのぼる。温泉地のコロナーダでは、焼き立てのせんべいが味わえるが、もちろんお土産用に購入することも可能だ。チェコの温泉地は社交場の役割を果たしてきたことから、１年を通して音楽や演劇などの文化が楽しめるのも特徴である。マリアーンスケー・ラーズニェのショパン・フェスティバル、テプリツェ・フ・チェハーフのルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン音楽祭、ルハチョヴィツェのヤナーチェクとルハチョヴィツェ音楽祭などが有名。また、カルロヴィ・ヴァリでは、毎年7月初頭に「カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭」が華々しく開催されるほか、南ボヘミアの
トシェボンでは毎年5月にアニメフェスティバル「アニフェスト」が開催される。
正解：D
写真提供：チェコセンター観光部（チェコツーリズム）