オーストラリアでJAM初開催、2010年日本人訪問者数40万人台回復にはずみ

オーストラリア政府観光局(TA)日本局長の堀和典氏は、「今回はサプライヤー側の負担を考えてオーストラリア開催にした。また、日本の担当者にも実際にオーストラリアを見てもらういい機会になると思う」と述べ、今回初となる試みに手ごたえを示した。来年は再び日本で開催する予定だが、再来年以降については、今回のフィードバックを精査したのち、隔年でのオーストラリア開催を検討する。
また、堀氏はインタビューの中で今年の日本人訪問者数に触れ、「今年1月から4月にかけてアップダウンはあったものの、それ以降は順調に推移している。1月から8月の累計では前年比18%増になった」と説明。残りの4ヶ月もこの傾向で推移すれば、2010年の累計は2桁の伸び率で40万人台に乗るとの見通しを示した。2桁の伸び率を達成すれば、6年ぶりのことになる。

▽ハネムーン、教育旅行に注力、新しい切り口でSIT市場の開拓も
TAはさらに、ハネムーンマーケットの拡大も大きなテーマとして位置付けている。今年8月23日から11月15日にかけてハネムーンをテーマとしてディスプレイコンテストを実施。リテールでのハネムーン・プロモーションを強化するとともに、販売店側の商品知識向上もサポートしていきたい考えだ。堀氏は目標として800店舗のコンテスト参加を掲げた。
教育旅行マーケットについても、引き続きプロモーションを強化。堀氏は「日本の企業が求めているのはグローバルな人材。英語を公用語にする企業が増えている中、英語教育に対する意識も変わってきていると思う。海外旅行離れが進む若者層に対して、海外に出るきっかけ作りをサポートしていきたい」と述べるとともに、将来の市場拡大に向けた取り組みとしても教育旅行に注力していく考えを示した。

なお、TA日本・アジア統括本部長のリチャード・ビアー氏は、日中韓での観光交流が政府レベルで進められていることに言及。「オーストラリアとしては危機感を持っている」とし、ロングホール市場に対する影響について懸念を示した。一方で、ビアー氏は「オーストラリアは西洋文化の国、アジアとは全く違うデスティネーション」と強調。他国との差別化に自信をのぞかせた。現在、オーストラリアにとって日本は、訪問者数でも経済効果でも世界第5位の市場。今後も「日本は重要な市場のひとつ」(ビアー氏)として、訪問者数や経済効果の向上に取り組んでいくと同時に、ゲートウェイ以外のデスティネーションの訴求力アップをはかっていきたいと意気込みを示した。