スイス氷河特急で事故、1人死亡−旅行需要への影響は軽微か

  • 2010年7月27日
 外務省などによると、スイスのマッターホルン・ゴッタルド鉄道が運行する「グレッシャー・エクスプレス(氷河特急)」で、7月23日12時過ぎ(現地時間)に脱線・横転する事故が発生した。同路線は観光客の人気が高く、列車に乗車していた約210名のうち日本人旅行者は少なくとも77名。事故により、日本人旅行者は1名が死亡し、38名が負傷した。26日午前(日本時間、以下同)の段階では11名の日本人が入院中という。

 ツアーでは、JTBワールドバケーションズのルックJTB、ANAセールスの旅達会員向け商品、阪急交通社のトラピックスの参加者が乗車。参加者数はルックJTBが21名、阪急交通社が39名、ANAセールスが14名で、各社1名の添乗員が同行していた。死亡したのはANAセールスの参加者で、26日17時現在、JTBは5名、阪急交通社は1名、ANAセールスが13名入院しているという。

 今後のツアーの対応としては、すでにマッターホルン・ゴッタルド鉄道が横転した車両を撤去するとともに試運転を実施し、安全を確認できたとして25日から通常運行を再開していることから、JTBと阪急交通社は催行を予定。ANAセールスは検討中で27日までに決定するという。また、JTBでは、氷河特急を利用したくない旅行者のために、利用区間でバスを並走させるという。

 なお、今回の事故の旅行需要への影響は軽微な様子。旅行会社各社やスイス政府観光局へのヒアリングでは、問い合わせはあるもののキャンセルは目立っていないようだ。今後、事故原因の調査結果などによって消費者が再考する可能性もあるが、現在のところ、問い合わせに対して事情を説明するとキャンセルには至らないケースが多いという。