TAM航空、スターアライアンスに加盟−NHとの共同運航は9月からを予定

  • 2010年5月17日
 5月13日(日本時間14日)、ブラジルのTAM航空(JJ)がスターアライアンスに正式加盟した。これでスターアライアンスのメンバーキャリアは27となり、ネットワークは181ヶ国、1167空港に拡大した。JJは国内40都市以上、南米10空港に就航し、ブラジルにおける国際線シェアは約85%を占める。2007年にヴァリグ・ブラジル航空(RG)がメンバーから抜けたことで南米はスターアライアンスにとって“空白地帯”となっていたが、それを埋める役割を期待されての加盟となった。             
                                            
 加盟当日、スターアライアンスはサンパウロで記者会見を開催。席上、スターアライアンスCEOのヤーン・アルブレヒト氏は、「南米に帰って来られたことがうれしい」との表現で、この地域で再び広範なビジネスを展開できる喜びを語った。また、JJ・CEOのリバノ・バロッソ氏は、「最低でも6000万米ドル以上の増収と3、4%の搭乗率向上が見込める」とアライアンス加盟のメリットを具体的な数字で示した。

 JJは加盟と同時にスターアライアンス各社とマイレージサービスでの提携をスタートし、コードシェア運航も準備が整い次第順次開始していく。日本路線では、NHとのコードシェア運航をおこなう。「当初は以遠権(第五の自由)の関係でロンドン経由での運航が濃厚で、今年9月をめどにサービスをスタートさせ、コーポレートマーケットを中心に、裕福層を取り込みイールドの高い路線にする。長距離路線では上級クラスが利用されやすいことも優位に働く」(JJ総代理店・小野田孝英日本地区総支配人)と、旅客ターゲットを明確にするとともに、「ニューヨーク経由便の実現など、今後もNHとより広範な提携を検討していきたい」考えだ。9月といえば、日本航空(JL)の成田/ニューヨーク/サンパウロ線の運休と重なるが、これからは代わってNHとスターアライアンスが日本と南米への架け橋になりそうだ。

 なお、アルブレヒト氏は先頃発表されたユナイテッド航空(UA)とコンチネンタル航空(CO)の統合についても触れ、「今までもbmiなどの前例があり、楽観視している」との見方を示した。スターアライアンスには今夏エーゲ航空(A3)が新たなメンバーに加わり、さらにエア・インディア(AI)の加盟準備も進められている。