イタリア政観、旅行会社のツアー発表会を開催、研修旅行の成果を披露

  • 2010年2月10日
 イタリア政府観光局(ENIT)は2月4日、都内で「旅行会社各社の新ツアー発表会」を開催した。同発表会は、過去にENIT主催の研修旅行に参加した旅行会社担当者による新ツアー発表会で、研修時に訪れた場所を盛り込んである。今回は北部のヴァッレ・ダオスタ州、同じく北部のピエモンテ州、そして「イタリアの最も美しい村や町協会(BBI)」の3つがテーマ。23社がそれぞれの新ツアーを発表した。

 ENITアジア・オセアニア局長のエンリコ・マルティーニ氏は冒頭、「人気のある場所を強化して売ることはマーケティングの鉄則」としながらも、新しいデスティネーション開発の必要性を訴え、今回発表されるツアーは「芸術やグルメといった“ルーティン”に加え、新たな魅力が盛り込まれている」と期待を示した。

 新ツアーではそれぞれヴァッレ・ダオスタ州、ピエモンテ州、BBIの代表的な魅力を押さえたツアー造成がなされており、例えばヴァッレ・ダオスタ州では、モンブランやモンテローザといった山々や国立公園でのトレッキングやハイキングをメインにしたプランが登場。初心者でもじっくりとアルプス山脈を楽しめる内容が多かった。

 ピエモンテ州では“食”を楽しむことをハイライトに据えたプランが目立ち、最高級のトリュフやワインなどこの土地ならではの食はもちろん、アグリ・ツーリズモやスローフードといったキーワードが盛り込まれた。

 BBIをテーマにしたものでは、「魅力的ではあるものの英語が通じにくい、交通が不便」といった点から、FITのリピーター層をターゲットにしたものが多い。「イタリアのすべてがある」というキャッチフレーズのとおり、素朴な村の伝統工芸に触れ、田園風景を眺めながら“マンマ”の料理を楽しむといったプランだが、世界遺産や有名な観光地にも立ちよる内容だ。

 なお、競合他社の社員の前で新ツアーを発表するこの試みは、研修旅行に参加しなかった人々と知識や教訓を共有するのにも役立っている様子。会場を埋め尽くすほど参加者も多く、ENITでは今後もこうした機会を設けていきたい考えだ。