米路線、ESTA未認証で航空会社に罰金−USTが反対表明

  • 2010年1月29日
 米国国土安全保安省の税関・国境取締局はこのほど、ESTA(電子渡航証人システム)を取得していない旅客を搭乗させた航空会社から罰金を徴収することを発表した。罰金額は明らかにされていないが、60日の猶予期間の後、3月20日からの実施を予定する。USトラベルアソシエーションは、「何の被害を及ぼすことがない多くの旅行者が米国着のフライトの搭乗拒否を受けることになる」と反発。代案を提供するための資金作りや、ESTA未認証での渡米が1度目の場合に限って搭乗を許可すべきといった要請を米国政府に対しておこなった。

 USTプレジデント兼CEOのロジャー・ダウ氏は、ESTAが米国にとって重要なセキュリティ・プログラムであり、米国の旅行業界も全面的に遵守していると強調。その上で、「米国に何の被害も及ぼすことがない旅行者の入国を無意味に拒否すれば、それと同時に50億米ドルの損失の危険性が伴うことになる」と抗議するコメントを発表した。

 なお、USTではESTA登録に関する代案をただちに提供するための資金を作るべきとし、その資金によってESTA申請が必要な旅行者のために国際空港のターミナルなどでインターネットキオスクを設置すべきと要望。また、旅行会社など米国への旅行促進に興味を持つ組織に対する認知向上キャンペーンや、ESTAを申請していないビザ免除渡航者に対して、個人情報を確認した上で到着時に入国審査所でかならずESTAの登録を完了することを義務付けることを条件に、1回限りで搭乗を許可するべき、といった要望を米国政府に対して実施した。