アクセスランキング、1位はJAL再建−ルックJTBの商品革新、「対論」も

  • 2010年1月16日
[総評] 今週は、日本旅行業協会(JATA)が日本航空(JL)の再建問題に関連し、債権保全の注意を喚起する記事が1位になりました。法的整理の可能性が強くなったことを受けたもので、文書ではボリュームインセンティブなどJLとの商取引の債権を保全できるよう注意を求めました。年明け早々から衝撃的なニュースが続きますが、 その後、企業再生支援機構からマイレージなどとともに商取引債権も従来通り維持する方針が出され、事態の沈静化がはかられました。

 ただ、東京商工リサーチ(TSR)によると、持株会社を含めたJALグループを直接の主要取引先とする国内企業数は2910社、二次取引先は延べ1万400社以上といいます。今後予想される路線縮小、人員削減、グループ会社の整理などの動きの中で、まったく影響が出ない旅行会社は少ないでしょう。再建を担う政府や企業再生支援機構には、運航継続だけでなく是非とも旅行会社など他社への影響にも留意してほしいところです。

 また、2位に入ったルックJTBの上期商品発表の記事も気になるところです。組み込みショッピングの原則廃止や申し込み時点での航空会社と便名の確定、並び席の確保などを約束するもので、「決意」という強い言葉を使って実現を誓っています。旅程保証制度の変更補償金も独自の補償率を設定しておリ、「付加価値」の重要性が高まる中で、業界最大手のJTBが先陣をきった形です。果たして2010年度を通して滞りなく付加価値を提供できるのか、この取り組みがお客様にどう受け止められるか、そして他社がどう反応するかにも注目が集まります。

 「付加価値」の話題は、6位に入ったJTBの田川博己社長とHISの平林朗社長の対論でも取り上げられました。プロパーで旅行業の現場経験も豊富なお二人の発言には重みがあり、非常に有意義な体験をさせていただいたと感じています。また、何かと対比される2社ですが、お二人の意見に共通点が多かったことも印象的です。今回の対論が、海外旅行の両雄が市場の拡大や航空会社との諸問題解決などに協力して取り組むきっかけになる可能性もあるのではと密かに期待しています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年1月第3週:1月12日2時〜1月15日18時)
第1位
JATA、JAL再建問題で会員に注意喚起−法的整理そなえ債権保全に留意求める(10/01/12)
JAL商取引債権は「従来どおり」−再生支援機構が表明、信用不安払拭はかる(10/01/15)

第2位
ルックJTBが「決心」、16年ぶり大幅改革で脱価格競争−旅程保証も独自設定(10/01/14)

第3位
JL再建、ワンワールド各社が追加提案−AAなど4社で総額20億ドル相当(10/01/13)

第4位
カタール航空、成田線就航を記念しキャンペーン、賞品に往復航空券など用意(10/01/14)

第5位
JAL年金は退職者も3分の2同意確保−前原大臣、運航継続に「万全期したい」(10/01/13)

第6位
取材ノート:JTB田川社長とHIS平林社長が対論(その1)−成長戦略(10/01/14)
取材ノート:JTB田川社長とHIS平林社長が対論(その2)−旅行会社の価値(10/01/15)

第7位
ルックJTB、10年度目標は141万人、商品革新で達成へ−「質」の理解促進も(10/01/14)

第8位
リゾート・ワールド・セントーサ、4ホテルの開業日決定、予約受付開始(10/01/12)

第9位
新千歳空港で外航乗り入れ時間帯が拡大へ−新規就航・増便に期待(10/01/12)

第10位
09年の倒産件数、旅行業は56件で3件減、負債額は3%増−12月は4件(10/01/14)