ジェイティービー（JTB）によると、2010年の海外出国者数は2009年の予測値1543万人から8.9％増の1680万人となる見通しだ。経済環境が不透明な中でも、首都圏空港の再拡張で消費者にとっての選択肢や利便性が増加、拡大すること、ゴールデンウィークの日並び、新型インフルエンザの対策が進んだこと、円高基調などの要因によって需要が拡大すると予測。また、バンクーバー冬季五輪、サッカーのワールドカップ南アフリカ大会、上海万博など大型イベントの需要喚起効果にも期待する。一方、海外旅行での消費額は、近距離デスティネーションの人気が続くことなどから、1.6％減の25万5000円と見込んだ。

　このほか、国内旅行者数は2009年見込み比で0.3％増の2億9000万人、消費額は1.4％増の3万1500円を予想。平城遷都1300年の奈良や、坂本龍馬ゆかりの高知、長崎、京都などに人気が集まるとしたほか、後半には青森延伸をひかえた東北新幹線を利用する北東北周遊などのツアーに注目が集まる可能性があるとした。訪日旅行では、円高基調の中でも高い経済成長が見込まれる中国や景気が回復基調を示す韓国からの旅行者が大幅に回復すると予測し、全体では17.2％増の790万人と推計した。

　なお、財団法人日本交通公社（JTBF）が先ごろに発表した海外旅行者数の予想は、2009年が前年比3.3％減の1545万人、2010年が7.4％増の1660万人であった。


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