夏休みの海外旅行人数は6%減の210万人か−JTB調査、韓国はプラス成長

  • 2009年7月9日
 ジェイティービー(JTB)が取りまとめた夏休み(7月15日〜8月31日)の旅行動向調査によると、この期間に旅行に出かける人は前年比1.7%減の7443万人になる見通しだ。このうち、海外旅行は5.8%減の210万人で3年連続の減少。海外旅行の平均費用は14.1%減の21万4000円、海外旅行総消費額は19.1%減の4494億円の予想。平均費用は前年から3万5000円減少しており、このうち燃油サーチャージの減少分が約2万1000円含まれている。

 こうした傾向は旅行動向全体で見られるが、景気後退による消費者の支出抑制が大きな要因のようだ。アンケート結果でも、今年の夏の旅行に行きたくない理由として、「家計の制約」が前回調査から3.7ポイント増の22.1%、「景気が悪い」が3.2ポイント増の25.3%となった。ただし、今後の旅行支出に対する意向を聞いた質問で「単価を減らし回数を増やしたい」は2.8ポイント増の14.8%、「回数を減らし単価を増やしたい」は0.6ポイント増の6.5%となっており、旅行の意欲は根強いことをうかがわせる回答が増加した。

 また、新型インフルエンザの影響もあって夏の旅行申し込みが出遅れたため、旅行予約の間際化が顕著に見られる。申し込みが出遅れた分、例年よりも希望の予約が取りやすくなっていることも一因のようだ。アンケートでも、「旅行に行く」「たぶん行く」と答えた人の約30%が出発日をまだ決めていないと回答した。


▽海外旅行、ファミリー需要強い−7月・9月の予約好調

 海外旅行の方面別日本人訪問者数の推計では、主要方面のうち韓国のみ7.0%増の30万4000人とプラス成長。また、ルックJTBではファミリー向けの子ども料金半額、幼児料金100円に設定したコースの人気が高く、グアム・サイパンやハワイの予約人数は前年をやや下回る見込みであるものの、ファミリー向けのそうした商品は前年を大きく上回っているという。

 燃油サーチャージが撤廃ないし減額された影響としては、リピーターを中心にハワイやヨーロッパへの旅行が回復傾向を示す。ルックJTBのハワイ商品では、コネクティングルームやコンドミニアムタイプの部屋の売れ行きが好調という。

 このほか、今回の調査では、調査対象期間外の7月前半と9月の予約が多く、旅行費用が高く混雑する時期を避ける消費者が増加していると推測される。9月はシルバーウィークもあり、5連休の時期の旅行代金は全体的に高くなるものの、近場のアジアやミクロネシアだけでなく、旅行日数の長いハワイや欧州などの申し込みも増えている。