KNT、夏の旅行予約が6月に大きく改善、間際需要が近場に−JTBも同様の傾向

  • 2009年6月30日
 7月と8月の海外旅行予約動向が低調との分析が多いが、近畿日本ツーリスト(KNT)では6月中の間際予約で改善の傾向を示している。6月中に入った7月出発の予約は前年比20%増で推移。「通常はここまで動かない」(KNT総務・広報部)といい、7月出発分全体は前年を割っているものの、「昨年の7月が比較的好調であったことを考えると堅調といえる」と評価する。

 方面別では北米や中南米、オセアニア方面が苦戦している一方、特にアジアは好調で、7月出発分全体でも10%以上伸びている。中国も前年の数値が悪かったため、100%以上の伸びを示している。6月中に入った8月出発の予約は6%程度の増加にとどまっているが、7月と同様の動きを見せる可能性はあり、アジアも続伸しているという。

 短距離方面の好調さは「安・近」の要因が強いといい、KNT総務・広報部では消費者が燃油サーチャージの廃止、値下がりを歓迎しつつ、家計収入の減少から旅行代金に敏感に反応していると分析。この傾向から、「ミクロネシアなども今後増加する可能性がある」という。

 ジェイティービー(JTB)でも同様の傾向だ。5月29日から6月26日の期間に入った予約は、7月が10%増、8月が6%増。方面別では、おおむね全体的に伸びているなかで、特に7月出発ではミクロネシア・アジア方面、8月出発のヨーロッパ方面の伸び率が顕著だ。