約款の議論は商習慣の是正と両輪で−観光庁、魅力的な海外ツアーの意見交換会
観光庁は1月20日、第2回「魅力ある海外旅行商品の創出のための環境整備に関する意見交換会」を開催した。会では、旅行会社や航空会社、観光局、オペレーター、ホテルなどの出席者が、前回の論点を踏まえて商習慣や旅行業約款に関する課題について議論。このうち旅行業約款については、取消料の発生のタイミングがデポジットの支払いのタイミングと異なるため、デポジットの支払いを必要とする旅行商品の造成や手配にリスクが発生するとの意見が出されたという。観光庁観光産業課長補佐の奈良裕信氏は、意見交換会後に業界紙に対して、約款のあり方の議論は、商習慣の改善との両輪で進めることが望ましいとの考えを説明。これは、「約款がボトルネックになっているのであれば変更しなければならない」一方で、「変えた後に商習慣がどうなるのかがなければ議論を進めにくい」ためだ。
取消料と質の高い旅行商品の関係について指摘したのは、グローバルユースビューロー代表取締役会長の古木康太郎氏。古木氏は、スケールメリットを追求するような旅行商品ではなく、デポジットを支払ってホテルなどを確約し、質の高い商品を実現しようとすると、デポジットの支払いと取消料発生のタイミングが異なることから、取消料とデポジットの差額を旅行会社かオペレーターが負担をせざるを得ないことになると説明した。また、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)専務理事の速水邦勝氏らは、受注型企画旅行でも同様のリスクがあると指摘。受注型企画旅行では、ホテルや移動手段が顧客から指定されるため、確約するのにデポジットの支払いが必要となる。このほか、クルーズ約款とクルーズ船社の取消料規定の差についても指摘された。
また、商習慣の課題として、アロットメントとデポジットが前回に引き続き議論にのぼった。ここでは、標準的な約款の有無やホテルの確定時期、旅行者の申込時期や申込金の額、取消料の発生時期と額などの各国の状況について、日本旅行業協会(JATA)が会員各社から聞いたアンケート調査の結果が説明された。調査対象国はイギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、香港、中国で、例えばホテルの確定時期では中国以外はほぼ申込時に確定。また、イギリスでは最少催行人数に満たない場合の催行取り消しは出発の8週間前までとなっており、逆に旅行代金が8週間前までに全額支払われなければ旅行契約は取り消されたものとして、取消料を請求しているという。
次回の会合は2月16日の予定で、クルーズ関係者も招いてさらに議論を深める方針。現在のところ3回をめどに論点を整理する予定だが、場合によっては追加の開催の可能性もあるという。
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◆「グローバル・スタンダード」の意見交換会、旅程保証と取消料などの課題指摘(2008/12/12)
取消料と質の高い旅行商品の関係について指摘したのは、グローバルユースビューロー代表取締役会長の古木康太郎氏。古木氏は、スケールメリットを追求するような旅行商品ではなく、デポジットを支払ってホテルなどを確約し、質の高い商品を実現しようとすると、デポジットの支払いと取消料発生のタイミングが異なることから、取消料とデポジットの差額を旅行会社かオペレーターが負担をせざるを得ないことになると説明した。また、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)専務理事の速水邦勝氏らは、受注型企画旅行でも同様のリスクがあると指摘。受注型企画旅行では、ホテルや移動手段が顧客から指定されるため、確約するのにデポジットの支払いが必要となる。このほか、クルーズ約款とクルーズ船社の取消料規定の差についても指摘された。
また、商習慣の課題として、アロットメントとデポジットが前回に引き続き議論にのぼった。ここでは、標準的な約款の有無やホテルの確定時期、旅行者の申込時期や申込金の額、取消料の発生時期と額などの各国の状況について、日本旅行業協会(JATA)が会員各社から聞いたアンケート調査の結果が説明された。調査対象国はイギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、香港、中国で、例えばホテルの確定時期では中国以外はほぼ申込時に確定。また、イギリスでは最少催行人数に満たない場合の催行取り消しは出発の8週間前までとなっており、逆に旅行代金が8週間前までに全額支払われなければ旅行契約は取り消されたものとして、取消料を請求しているという。
次回の会合は2月16日の予定で、クルーズ関係者も招いてさらに議論を深める方針。現在のところ3回をめどに論点を整理する予定だが、場合によっては追加の開催の可能性もあるという。
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